ブルーベリーの穂木販売をした
 スパルタンなどの接ぎ木用の穂木販売は、以前やっていた。
その後は特に宣伝してない。
けれど需要があるのか、穂木注文の問い合わせのメールが毎年オレの所にときどき来る。
少々穂木があれば、発送しているよ。
今年(2018年2月)も送ったところだ。

 ちょっとその様子を紹介してみよう。
品種はスパルタンが一応はメインかな。
まず剪定前に接ぎ木用の枝をとってくる。
厳寒期の1月か2月であることが望ましい。

写真

 12月のうちから採取すると、ビニルで包んで冷蔵庫の中で保管していても、穂木が乾いてしまうことがある。
穂木が乾燥してシワがよると、ただでさえスパルタンは水分不足に弱いのでやばい。
だから冷蔵庫保管がなるべく短くなるよう冬になってもすぐには取らず、1月か2月の厳寒期に採取するようにしている。
それを過ぎて春先になると芽が膨らんでしまうから、冬の最も寒い時期をねらって採取する。

 そりに入れて地面を滑らせながら作業すると便利だ。
このとき花芽のついた枝は切り捨てて、ある程度形を整えておく。
穂木としてはこの状態のままでも使えるが、冷蔵庫に納めるとなると長いままでは不便だ。
また、宅急便の箱に詰め込むとなると、もっと短く切り揃えて梱包しなくちゃならない。
つまりこのあと調整作業があるわけよ。



 家に持ち帰って、テーブルの上で宅急便の箱サイズに合わせて、ブルーベリーの枝を切り縮める。
枝をじっくり眺めて、比較的まっすぐで、細すぎず太すぎずで、最良の部分だけを切り取る。
で、宅急便の箱サイズに合わせて切る。
B級品は、生ゴミのポリバケツに直行だ。

写真

 左下の水色のバケツは、ふだんは生ゴミ入れに使っているもので、採取してきた穂木は、あわれ、半分以上がゴミになってしまう。
なんで厳選するかというと、接ぎ木を実際にやってみるとわかるが、曲がっている枝は使いづらいからだ。
あと、太すぎる枝も使いにくい。
太い穂木を台木に押し込むと、台木が裂けてしまう。
だからある程度は、細い穂木を揃えるようにしなければならない。

 節があるやつもダメだ。
接ぎ木ナイフで平滑に削れず、ひっかかる。
よって接ぎ木用の枝を取ってきても、その枝のうち中間部分の良い部分だけしか使わないわけ。
なにしろ接ぎ木は3月ごろのまだ寒い野外で行う。
穂木の状態が悪いとイライラしちゃう。
しかも接ぎ木作業は飽き易いからな。

 接ぎ木は集中力が必要な作業で、そんなに長時間は無理だから(寒いし・・)、穂木は最良のものだけを使うようにした方が、結局は効率がいい。
スパルタンの穂木を各自が自前で用意するのは大変なことで、良い品質を揃えた品となると、オレのところから買うのが(出費はあっても)最もラクだろうと思うけどな。

写真

 切り揃えた穂木は、わざとやや長めにしてある。
切り口のある両端から乾燥してくるので、使用するときは中央部の水分がまだ残っている部分を使うためだ。
あと、短かすぎると握って接ぎ木しづらいからだ。

 接ぎ木ナイフはよく指を切るからな・・・。
穂木は輪ゴムで10本ずつくくって、このままビニルに包んでいた。
が、スパルタンは乾燥に弱いから、湿ったキッチンペーパーで包むこともある。



 一方、ラビットアイ系となると、穂木の扱いはだいぶ雑になってしまう。
採取だが、スパルタンの接ぎ木の樹を育てていると、地面から台木のサッカーが盛んに出てくる。
これらサッカーは切り捨てられることも多いが、株分け用や接ぎ木苗作成用として、冬までわざと残しておくこともある。

 今回は、このサッカーを丁寧に採取して、切り揃えて、挿し木用の穂木として発送してみた。
下の写真はホームベルの穂木だ。
緑色の部分が多いことが特徴だ。

写真

 ラビットアイの台木を使うなら、フェスティバルという品種の方がベストだと思うが、フェスティバルはサッカーがあまり発生しないので穂木採取の数が足りなくなってしまった。
今回ピンチヒッターとして、ホームベルの穂木を採取した次第。

 ところでこれらの穂木代だが、スパルタン穂木は20本入りで千円にしている(1本あたり50円。送料別)。
20本用意するのに1時間ぐらいかかることもあって、1時間あたり千円で計算して、ほとんど人件費みたいなものだ。
フェスティバルやホームベルは、1本あたり50円は高すぎるだろうと申し訳なく感じるのと、実際の作業時間は短く済むこともあって、値段は半値以下にしている(1本あたり20円)。

※ 注意 今年の穂木販売は終了しているので、もし欲しい方は来年になります。
2018年2月17日 記

作者を誉めるメールを送ってくれえ〜!
▲目次へ戻る