廃棄チップソーを削って再利用している
 使えなくなったチップソーは、モッタイナイので削り直してまた使っている。
チップソーは安い品があるとはいえ、新品をどんどん使い捨てするのは、出費がかさむからな。
その出費を抑えようというわけだ。
どんな作り方をしているか説明してみよう。

 再生する古チップソーは、軽量用の穴ボコがたくさん開いているものを使う。
穴の位置を利用して削る。
ただ削るだけでは偏芯しやすくて、偏芯すると高速回転したときにブルブル振動してしまって、危険!。
だからチップソーの穴を目印に削っていくわけ。

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 元からある穴の正確さに頼れば、目測でも均一に加工しやすいからだ。
削るときはまず、硬質チップをペンチで全部外す。
それから、ハンディディスクグラインダで削る削る・・・・。

 削る量が多いと、その夜はノドが痛かったりする。
鉄粉を吸い込んでしまったわけ。
だからマスクをしなきゃならない。
マスクすると息苦しいし、暑くていやになるね。

 あと通常型のハンドディスクグラインダは、片手で扱うのは重いし、回転も早すぎる。
そのため、刃研ぎ用ディスクグラインダというものを、わざわざ買って使っている。
これは軽量で低速回転だ。
が、割高で5000円ぐらいする。
お金がモッタイナイという話はどこいった?。
ガリガリ削りまくって、ようやく完成!。

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刃先の先端は1ミリでも丸まっていると切れ味が悪くなるので鋭利にしていく


 できあがった刃を刈り払い機に装着して、エンジンを起動して、この再生刃を使ってみる。
ウイーン!
おっ、なかなかよく切れるぞ。
しなるようなイネ科の植物で、斜めに傾いているような雑草は、通常のチップソーでもなかなか切りづらいが、削り出した自作刃は、刃先が鋭いこともあって、すらすら切れるぞ。

 スパスパ切れる。
切れ味がとっても良い。
果樹園をやっているため、再生した柔らかい草が多くてさあ。
フワフワして、しなるような草が多いので、それをスパッ!と切れると、オレとしても嬉しいわけよ。
チップソーでも少し磨耗すれば、こうは切れない。

 あと雑草を切るときに、地面や土をえぐるように切らねばならないことがよくある。
が!。
地面ごと切ると、刃先の消耗が激しい。
新品のチップソーでも、土ごと切ると鋭利な切れ味が悪くなってしまう。
硬質チップの研摩はダイヤモンド粉末をまぶしたグラインダーで研げるが、これが微妙で難しいので、どうせ土ごと切るなら、再生チップソーで充分!。
チップが付いていないため刃先が薄くて、土が吹っ飛ぶ量が少ないので、ズボンもあまり汚れずに済む。



 再生刃は、石とかにぶつけると、刃先がもろに曲がってしまう。
刃先はつぶれやすく、磨耗しやすい。
だから刃の先端を守るべく、現代では硬いチップを刃先に埋め込んで、チップソーが主流になっているわけだ。
チップが無ければ刃先は弱いままなので、同じ場所を何度も刈るような、よくわかっている畑だけ使うようにしている。

 シノや笹などの細い竹とか、細い雑木は切りづらい。
道路沿いの草刈りは不向きだな。
そういう不特定な場所じゃなくて、自分の畑の柔らかい雑草なら充分使える。
硬質チップが無いので、そのぶん軽くて振り回ししやすい。

 さて草刈りを1時間ほどやったら、燃料を補充するときに、ついでに刃も新しいものに付け替えてしまう。
刃は頻繁に取り外して、水洗いなどして片付けてしまう。
再生した新しい刃は、何枚も持っているので、予備はある。
こまめに替えるのは、刃先が大きく磨り減ってしまうと、研摩しなおすのが面倒だからだ。

 大きく一気に削ると摩擦熱で赤熱してしまって、刃先にヤキが入って強度が悪くなるのでね。
少し磨り減ったら少し研ぐ、というやり方の方が、摩擦熱でも温度が上がり過ぎにくいし、鉄粉も少なくて済む。
自宅に持ち帰って、あとで研摩だ。
刃先はこまめこまめに削ることによって、刃先は後退していく。
どんどん削って小さくなり過ぎると、再生チップソーもとうとう廃棄になる。



 それにしても、削るのは毎回けっこう時間がかかる。
準備や片付けや、水洗いや油塗りを含めれば、2枚やれば20分はかかる。
特に最初に新しく作るときは、1時間ぐらいかかる。
会社で働いてそのお金で新しいチップソーを買った方がトクかもな。

 削り直して再生した刃は消耗が早くって、2、3ミリほど刃先が磨耗すると、もう切れなくなってしまう。
地面ごと土ごと削るやり方をしたときは、刃先の消耗が特に激しい!。
帰宅したら刃先を削り直さなくちゃならない。
いちいち時間がかかる。

 それが面倒なので、再生チップソーを作るのは、オススメは・・・しかねる。
とはいえ、うちには古くなったチップソーが、まだいっぱいある。
投棄されたサビだらけのチップソーを見つければ、オレは拾って持ち帰ることもあるし。
というわけで、うちには古いチップソーが、どんどん溜まっている。
2017.10.25 記
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