春一番の収穫はシイタケから
 今年もシイタケとれた。
春の彼岸ごろ、3月の春分の日のころに毎年採れる。
まだ寒くて桜だって咲いていないんだぜ。
ニョキニョキ伸びたシイタケを採ると、果肉の感覚がぷりぷりしている。
ラーメンに入れて加熱して食べると、うまいぞお。

 この時期、果樹園は収穫できるものは何もねえ。
だからシイタケは余計ありがたく感じる。
でも3月の彼岸ごろといえば、朝は0度近くまで冷えるんだ。
キノコって暖かい季節に生えるんじゃなかったか?。
蒸し暑い時期に生えるんじゃなかったか?。

 まだ霜が降りる時期じゃあ、凍ってしまうぜ。
シイタケは品種にもよるのだろうけど、ウチのは一般的な品種だと思うけれども、春の彼岸3/23ごろ採れるタイプ。
そういえば、秋でもクリスマス(12/24)の頃にも採れたことがあった。
意外なことにシイタケとは、やや寒い時期に採れるものらしい。

写真

 それはいいとしても問題なのは、一気にどどっと発生して一気におわってしまうことだ。
あとで取ろう、とか、すると、これがうまくいかない。
次々に生えてくることはなくて、毎年いっつも一気に短期間で終わってしまう。
こういう品種なのか?。
もう少し長続きすればいいんだが・・・。



 このあとの春の収穫といえば、『たらの芽』があるにはあった。
以前オレは、トゲ無しタラノメも栽培していた。
しかし!、だ。
大きく伸びたタラの木は根元から害虫に食われてがちで、枯れ易くってさ。
新しい枝が代わりに地面から伸びてくるけれど、タラの木の小さな芽生えを草刈機でうっかり切ってしまいやすかった。

 地面は雑草まみれでよく見えないから、草刈りすると切断しやすい。
それにうちの畑は日陰が多いこともあって、日陰がちの土地じゃあ、タラノキは地面からの芽生えがよくない。
つまり、タラノメの再生が少ない上に、虫害やうっかり切断の本数が多くて、うまくいかなかった。
なんとか頑張っていたものの、うちではタラの木は全滅してしまった。

 というわけさ。
日陰がちの土地にはタラノメ不適。
新しい苗木も買っていない。
そんな日陰がちの場所は、むしろシイタケ向き!!。
ということで、近年の春はシイタケに頼っていた。

シイタケはホダ木を寝かせる
 そもそも最初は、親がシイタケをホダ木で30本ぐらい親戚から安く買ってきたので、それから毎年シイタケを収穫していた。
シイタケを出荷する専門業者なら、ホダ木はたった3年ぐらいで使い切ってしまうらしい。
でもよ。
家庭で趣味でシイタケを栽培するなら、木は3年目以降もまだまだシイタケが出るぞお。

 出てくるシイタケの数は減るが、5年ぐらいは大丈夫らしい。
オレとしても何度か失敗の経験を積み重ねて、コツもいくつか気付いてきた。
家庭での栽培で要注意なのは、経験から言えば『ホダ木をたてかけない』ということだ。

 隣のシイタケ立てかけかえた、ウチのはシイタケ立て掛けかけない!。
シイタケの木を組むのは、ごくふつうと思うだろ?。
立て掛けるのが当たり前だと思うだろ?。
趣味程度の栽培では、現実はやや違う。

 地面に敷いた古いジュウタンの上にホダ木は横倒しに置いたんだが、冬の間にさ、落ち葉とかが降り積もっているわけよ。
ホダ木の上とかジュウタンの上に。
落ち葉が多いから、埋もれるようになってる。
落ち葉や日陰が多いのは、そもそも隣地に雑木が生えているからだ。

 その木立の葉っぱが落ちてくる。
で、春の時期になるとシイタケがドドドッと発生してくる。
それを収穫しても、落ち葉とかが邪魔で、シイタケが汚れる原因になったわけよ。
というわけで収穫したあとは、いつも落ち葉を掃除して、ついでにまだ小さいキノコが育っていたから、それがあと数日すれば大きく育つだろうから、採れやすいようにホダ木を組み直していたのさ。

 そしたら、あとで行くとな。
その小さいキノコが育っていくどころか、ひからびてダメになってしまっている!。
ホダ木を立て掛けると、乾いてしまう。

写真
写真のシイタケでカサにひび割れができているものは、水分が足りないのだという。
ホダ木をもっと湿気の多い場所にする必要がある。


 春の彼岸ごろは雨が多いので、それがきっかけとしてシイタケの発生になるとはいえ、晴天の日が続けば、空気も乾いてしまう。
ホダ木が横向きなら保湿がつづくが、縦向きでは乾き易い。
その乾燥が原因だった。
だから、木を組むとかえって悪い。

 日当たりが悪いとはいっても、落葉樹だから早春はまだ展葉してなくて、地面へ日差しがあるんだ。
北風もまだ吹く。
だから立て掛けると乾燥しきってしまい、キノコが駄目になる。
つまり地面にぶん投げたままにしておいた方が、落ち葉に埋もれていたままの方が、シイタケがよく発生する。
ということだったわけさ。

 放置して雑な管理の方がよく収穫できるとは、皮肉なこった。
地面に置くといっても、古いジュウタンだの古いカーペットだのの、それらの上にホダ木を置いておくのが良い。
土の上に置いておくと、キノコが泥っぽくなり、ホダ木も腐りやすくなる。
あとホダ木を二段以上に積み重ねておくと、内部で発生したシイタケが収穫しづらくなってしまう。

 ジュウタンの上に置いていたから、オレんちでは長持ちして、もう7年ぐらいになるけど、ホダ木がまだ使えて、シイタケが発生して収穫できた。
さすがに木がボロボロになってきて、今年(2017)か来年で終わりになりそうだった。
ジュウタン自体も腐ってきてしまうので、これが化学繊維が大量に混じっていて、刈り払いの刃に糸が絡まってしまう。
ジュウタンは腐り始めたら乾かして、さっさと刻んで廃棄しとくのがいいな。
水分含んでずっしり重くて、持て余しているけど。



 採れたシイタケは、ゴミがよく付いている。
雨のハネ上がりで、土やゴミがいっぱいシイタケに付着してる。
そこで、オレは静音オイルレスエアーコンプレッサーという道具で、これは何かと掃除用に使っているのだが(ひげ剃り器とか小型エンジンの油汚れ落としやディスクグラインダー切断後の粉塵掃除)、この圧縮エアーを吹きかけて、シイタケの身の掃除にも使っている。

 ゴミ除きを終えて、とれたてシイタケは、プリプリと弾力性があって、この弾力が大変うまい。
家庭でシイタケを育てると、どうしても採り遅れるというか、シイタケが大きく育ってしまう。
その大きさや弾力から、なんつーか、シイタケがステーキっぽい。
タラの芽ならテンプラするのは油の準備が必要だが、シイタケはラーメンに入れて一緒に煮てしまえば簡単だ。

 さて、シイタケのホダ木をホームセンターとかで買うと、1本千円近くもして、結構高価だ。
だから3年とかで終わりにせずに、なるべく長持ちさせてさ、ホダ木が腐り切らないうちはまだまだ使えるぞお。
家庭用なら5年は持つようだ。
うちは7年ぐらい使った。
細いホダ木よりは、太い木の方がオトクのようだ。

 長持ちについては、古ジュウタンや古い電気カーペットの上に置いといたので、木が腐りにくかったようだ。
ホダ木は地面に直接置くと腐りやすい。
土で汚れるし。
木は横向きに寝かせておいた方が保湿しやすいが、シイタケが木の底から伸びてきてひしゃげるものが続出してしまい、取りづらくて、これまた一苦労。

 なんやかんやで、シイタケ栽培のノウハウを覚えつつ年を重ねてきたよ。
が、今年2017年はシイタケを春に少し収穫したものの、夏にホダ木がとうとう腐ってしまった。
今年2017年でシイタケの収穫おわり。
親が元気だったころ買ってきたホダ木の数々、形見?でもあった木が消滅してしまうのはさみしいな。
2017.10.22 記
作者を誉めるメールを送ってくれえ〜!
▲目次へ戻る