2016年の春の新品種導入は?
 園芸カタログを見れば、あれもこれも欲しくなる!。
2016年の1月ごろから春にかけて、さあ、何を植えるか?。
いくつか新品種を導入したので、紹介してみよう。

 そもそも、園芸カタログっていうのは良いことばっかり書いてあって、都合の悪いことは書いてない、という傾向がすげー強い。
人を騙すとまでは言わないまでも、一応かばってあげるとすれば、新品種というのは特性や欠点がまだよくわかっていないわけだ。

 思い出すとハラたつが、大目に見てやるわ!。
園芸カタログを眺めるのは、オモシロイからな。
さて、今回紹介するのは、3つだ。

 ブドウのヒムロッドシードレス、ついでに買ったキウイの早雄(そうゆう)、そしてブルーベリーのタイタンだ!。
ついでに、今回は購入しなかったがアンズのニコニコットも述べておこう。

ブドウのヒムロッドシードレス
 インターネットのショップ欄で、ひょいと目にとまったのが、ブドウのヒムロッドシードレス。
20年くらい前から果樹の本で、このヒムロッドのことは知っていた。
が、なにしろ棚作りが面倒だったので、キウイだけで棚設置の手間はもうたくさんだったから、ブドウまでは手を出さなかった。

 第一、ブドウは病虫害に弱いものが多くてね。
キウイなら無農薬栽培ができるが、ブドウはしづらいからな。
それで自分で栽培するのはあきらめていた。
が、道端のブドウ直売所でヒムロッドシードレスを売っている農家があったので、食べたことはよくある。

 美味いブドウだよ。
タネ無しだし、しかもヒムロッドは単価が安いから、買うと量がたっぷり入っていてオトクだ。
とまあ、オレ自身が栽培するよりも買って食べた方が割りがいい、というのが特に巨峰とかだとそうだから、オレはブドウ栽培をしてこなかった。

 だが2016年の今年、ネットショップでヒムロッドシードレスの苗木が売られていたんだ。
値段は1本1500円なり、ほーう!。
3000円とかだったら手を出さないが、1500円なら試しに買ってみるか?。
大いに興味をそそったわけで、さて、どうしよう?。



 とりあえず、ヒムロッドシードレスとはどんな品種か?、もっと詳しく述べてみよう。
なにしろ元々からタネ無しのブドウ品種である、という利点が大きい。
巨峰などはジベレリン処理をしなければ、タネありのままだからな。

 ヒムロッドシードレスという名前がついているので、シードレスつまりタネ無しだが、干しぶどうのレーズン用などに海外ではタネ無しブドウ品種が使われていたりする。
レーズンは、一般的にはトムソン・シードレスという品種から作られるけどな。

 デラウェアとかはジベレリン処理が必要なわけで、巨峰などでもジベレリン処理をやるらしいが、そのジベ作業が超メンドくさそう!。
とオレは思っていたから、もともとタネ無しゆえにジベ処理がいらないヒムロッドシードレスは、家庭園芸向きでオレはとくに興味があった。

 利点はまだある。
ヒムロッドシードレスはブドウの品種の中では、すごく早い時期から熟す極早生品種で、収穫するのは7月ごろかな。
ヒムロッドは熟すのが早い。
8月、9月となると、台風が来たり、真夏の酷暑で害虫が発生したりと、難題が増えてくる。
ブドウは9月ごろに熟すものが多くて、巨峰も9月だが、台風シーズンで雨も多い。

 それらの時期の前に収穫できる早生品種、ということがヒムロッドシードレスの取り柄なんだ。
早生品種は病虫害が少なくて済む。
ただ、欠点としてヒムロッドは脱粒しやすいそうで、粒が所々抜け落ちて、欠けていると、ブドウの房としては商品の見栄えが悪いからねえ。
でも、自家栽培して自分で食べるなら問題なかろうよ。

 あと、ブドウの欠点というか、棚を作るのがメンドクサイ。
キウイの棚でさえオレはろくに維持できなかったのに、ブドウ用の棚なんてオレに管理できるか?。
という問題もあったが、ブルーベリー用の3mイボ竹で、これがよく曲がってしまい、それらの曲がったイボ竹を、再利用としてキウイ用に組み上げてあった。

 他にも古い椅子や長机の鉄パイプを積み上げて、棚代わりにしてある。
廃材やガラクタを山積みしているみたいで、見た目はだいぶ問題ありだけどな。
乱雑な組み上げだけど、これをブドウ用に転用することにした。
ツル植物がからみつく棚は、ともあれ安直に確保できた。

 つまりまとめると、ブドウというのは病虫害も多いし、棚作りだのジベ処理だので手間も多いが、ヒムロッドシードレスはブドウにしては負担が少なく、早生で比較的には栽培しやすくて、割りに合う品種だってこと。
それに今まで苗木がほとんど売られていなかったから、ヒムロッドは入手するのも難しかった。

 が、ネット上の通販サイトで、気軽に買えそうだったので、今回ポチッと注文してみたわけさ。
送料がかかるので、つまり1本でも2本でも送料は同じだから、他にも何か買おうと思って同じネット空間上の店の中を探してみた。
そこで見つけたのが、キウイの早雄(そうゆう)というオス品種。
これもポチッとな。

写真
ヒムロッドシードレスを、キウイのオス品種「早雄」と一緒に買った。


 ブドウと雄キウイで計2本買った。
1本1500円くらいで、送料込みで4000円だった。
これ以上出費がかさむのもナンだから、これぐらいでいいかなっと。
ついでに買った早雄が、どんな品種か、次に説明しておこう。

キウイの早雄(そうゆう)
 キウイの赤芯系(紅妃系)の品種は、開花期がべらぼうに早い、という特徴があって、既存のキウイのオス品種では開花期が間に合わないこともある。
ってんで、わざわざオレは、早咲きのオス品種をこのたび買ったわけ。
ヒムロッドシードレスの苗木を買う「ついで」に早雄を買ったわけだから、仕方なくだけど。

 通常のキウイ品種は、香緑などは5月の連休ごろか、それを過ぎてから花が咲く。
サクラはとっくに散っているので、香緑は開花期が遅い方だ。
でも、赤芯系のキウイはこれは開花が早い。

 キウイ品種の中でもかなり早い方で、受粉用のオス品種はそれよりも早く咲かせておく必要があるから、専用のオス品種がある。
それがキウイの早雄(そうゆう)だ。

 専用のオス品種はこれも値が張るので、オレは苗木代をケチって今まで植えていなかった。
昨年はそれでも赤キウイが3個成ったんだ。
3個だけな。
香緑はどっさり成るのに、紅芯というか赤キウイは成りが悪いようだ。

 追熟不要で10月ごろから熟すから、オレが収穫しないうちに、その3個のキウイはトリか何かに食われたのか消えてしまっていた。
あーあ、ちゃんと管理しなおそう。
というわけで、ちゃんとオス品種もこのたび用意したわけだ。

 ブドウのヒムロッドシードレスを買うついでだけどな。
キウイのオスは、植えても実がならない、ってのに、このオス苗木を買うのに1500円もかかって、まったく高い。

 さて、苗木が届いた。
予備の苗を作っておく意味もあって、早雄の苗木から穂木をとって、香緑に3カ所ほど接ぎ木しておいた。
キウイって、苗木の根元にカミキリムシが入ってしまって、大きく痛んでしまうことがよくあるから、予備というか保険苗。

 香緑は20年間も栽培してきたが、果実の表面は毛深いし、放置栽培すると小玉が多くて、毛の着いた皮を剥いて食べるのが面倒、という問題がある。
極めて豊作型で、オレんちでは収穫ナンバーワンだったけどな。

 紅芯のキウイは、果実に毛がなくて、ずっと甘いし、追熟も不要だから、今後はこの紅芯系のキウイに全面更新することにして、香緑は紅芯の台木に転用してしまった。
台木から香緑のひこばえは盛んに発生するから、香緑栽培に戻そうと思えば戻せる。

 ブドウも含めて、新しい果物栽培に挑戦するのはしばらくぶりだ。
やってみよう。

アンズのニコニコット
 ニコニコットという品種名からして、これはもう、ダジャレのオヤジギャグのネーミングだ。
ニコニコと、コット(アンズ)の合成ね。
これでも国の機関が育成したもので、この名前で公式にちゃんと正規登録されたアンズ品種だ。

 アンズは、茨城あたりでは結実が悪い。
ウメなら成るけど、オレが実際に栽培してきた経験からいって、アンズだのスモモだのは、茨城県のような黒土が深いところでは結実性がずいぶん悪い。
要するに、栄養豊かで保水力がある土のためであって、果樹というのはむしろ痩せた土地の方が果実が成り易いし、品質もいい、という皮肉な現象がある。

 茨城北部というのは、畑でイネを栽培できるほど保水力がある土地柄であって、陸稲(りくとう、と読むが、おかぼとも言う)は、うちのあたりではよく栽培されている。
これは日本全国でもこのあたりだけの特色なのだという。
そういう場所に、オレは住んでいる。

 ゴボウや山芋、陸稲といった栽培ができる土地柄であるが、オレの経験からいっても、開花も結実性もアンズはまったく不良であった。
オレだけでなく、近所でもアンズの栽培はほとんどない。

 というわけで完全にアンズ栽培を断念してしまっていたのだが、このたびニコニコットが育成された試験場というのが、茨城県つくば市というのが目を引いた。
同じ県内じゃねえか。
しかも、ニコニコットはすんごく結実性が良いのだという。

 オレは以前にアンズ栽培をして惨敗していた経験があったから(品種はゴールドコットだった)、その惨敗のトラウマを払拭するべく、ニコニコットを栽培してみるのもいいかな?っと。
トラウマを克服するのだあ!。

 それにウメならうちにもあるが、母親が亡くなってしまったことで梅干しを作る作業は無くなってしまい、オレは調理加工がニガテだしな・・・。
梅の木は処分することになるが、何年もかけて育てた木を切り捨てるのは、惜しい。

 このウメの木にスモモを接いで再活用しようと考えてみた。
げんに、長年ならなかったうちのスモモの古樹に、スモモのメスレーを接ぎ木して、昨年に初めて大量収穫したことがある。
それまでの長年にわたるスモモ惨敗のトラウマを、ついに払拭していた。
その成功をアンズで再開したい!。

 ウメとスモモは接ぎ木親和性が可能とはいえ、そんなに優良な相性でもない。
だからウメにスモモを接ぐのは、オレはあんまり気乗りしないが、ウメにアンズを接ぎ木するなら、接ぎ木親和性はまだ良い。
うーん、やってみるか、アンズ栽培を!。

 それにアンズって自家結実性のあるものだとばっかり思っていたが、とくに「平和」という品種はそうだと思っていたが、じつは平和は自家結実性がないのだという。
でもニコニコットは、自家結実性があってとくに豊産性だという。
1本でも成るわけだ。
おまけに、ネット通信販売で、ニコニコットの苗木が売られていた!。

 苗木の入手がカンタンじゃん。
1500円か・・。
安くはないが、2000円だの3000円だの高価な苗というわけでもない。
うーん、今年はいったん保留だ。
悩んでいるうちに、移植や接ぎ木に最適の時期を過ぎて、遅れ気味になってしまっていたからな。

 というわけで、今現在は植えないけれども、来年にはもっと値段が安くなるだろうから、来年の候補としよう。
ブドウもアンズもオレはかつて、興味関心をもったが断念した果樹だ。
それを今、克服できる機会でもある。
アンズも今年の晩秋からか、やってみよう。

ブルーベリーのタイタンは、あとで記す。
2016.4.13 記
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