ビワ挿し木した
 ビワの挿し木、なんてことをやるハメになったのは、オレが育てている『大房』という品種が入手しづらいからだ。
『大房』は、「おおぶさ」「おおふさ」という。
千葉県のビワ栽培では主流として植えられているそうだが、園芸カタログでは大房はなかなか売ってなくてね。

 ビワの品種でも『田中』なら簡単に買えるのに、『大房』にオレがこだわるのは、そもそもビワ品種の多くは、真冬に花が咲く、という特徴に関係がある。
ビワって元々は1年中暑い南方産の果樹のせいか、12月だの1月だの2月に咲き出すわけよ。
日本ではその時期は真冬だから、花などが凍結してしまって寒さに弱い。

 しかしだ!。
ビワの中でも、大房という品種は開花がすんごく遅い品種で、3月に花が咲く。
3月といったら、ウメだって開花してらあ。
3月はだいぶ暖かくなっているわけで、大房はこの特徴ゆえに、寒害に最も強い、ということになっている。

写真
3年前の2013年は、3月22日に咲いている


 さて、大房の果実は、オレんちでも成ったよ。
名前からして大きな実がなるような印象はあるが、そんなに大きな実が付くわけではない。
果実サイズは中の大。

 やや大きめといったところだ。
味は田中ビワと大差なし。
品質の差がどうのこうのという理由ではなく、大房は耐寒性がより優れているというのがオレが植えた理由だからな。

 さてさて、ビワ苗木は一本買えば充分といいたいところだが、そうではない。
ビワって樹が大きくなると、手が届かなくなって収穫しづらいうえに、カラスの集中攻撃を受けるようになる。
かといって、枝を切って樹を小さく仕立てるのは難しい。

 おまけに、木や枝が古くなってくると、いびつな果実が増えて、豊満な果実が減ってくる。
どうすればいいか?。
つまり、新しい苗木を次々に植えていって、古くて大きくなりすぎた樹は切り倒して、計画的に更新していけばいいわけよ。
だから新しい苗木が、オレには必要だ。

 でも苗木の入手が面倒なので、今回、ビワを挿し木で作ろう、というハナシになったわけだ。
なお、ビワは連作障害があるようで、いびつな形の果実ができるのを防ぐためにも、同じ場所に何度も植えるわけにはいかない。
新しい場所へと、新しい場所へと、植えていかなきゃならない。
オレとしては、ビワを植える場所は、ブルーベリーの園の一部を利用することにした。

ビワをロング挿し木した
 ようやく本題だが、ビワの挿し木についてだ。
ビワは、タネから蒔いて実が成るまで育てる方法もあるにはあるが、大房という品種を殖やすときは、通常は接ぎ木をする。
タネをまいて台木を育てるところから始めるわけで、オレはタネを蒔いたのにうまく芽が出なかった。

 ビワを食べて吐き出したタネから勝手に伸びたビワの木も世の中には数多くあるというのに、オレは接ぎ木苗を手間ひまかけたが、うまく育たなかったことが何度もある。
経験からいって、ビワって個体差が大きい果樹のようだ。
しょうがないなー。

 苗木代もけっこう高価なので、自力で苗を作ろうと園芸本で調べたら、ビワって取り木ができるという。
取り木のやり方だが、枝の一部を環状剥皮して、湿らせたミズごけで包んで、黒いビニールをかぶせてヒモで縛っておくと、半年ぐらいすると根が出るらしい。
ミズゴケといえば、枯れたミズゴケというかピートモスでも代用できるんじゃないかなあ?。

 取り木の手順はわかったけど、面倒だな。
ラクしたい。
ここで思い出したのがイチジクでの挿し木で、イチジクの挿し木は20センチくらいの枝の長さで用土に挿すが、1mくらいのながーいイチジク枝を切ってきて、地面に浅く埋めておくと、初年度から大変よく伸びる。

 1mもの長さの挿し木だ。
急激に伸び過ぎて、真夏ともなると、まだ根が充実してないためにか水分供給が間に合わなくなったのか、よく突然枯死したけどな。
イチジクの挿し木の経験からいって、オレは、ビワの挿し木も、ながーい枝を用いてすることにした。

 ビワの木から、1mの長さの枝を5本切って用意して、2本と3本にわけて、2箇所にまとめ植えした。
地面は深さ10センチほど浅く長く掘って、そこにビワの枝を横倒しにして埋めた。
先端は地上に出した。

 一箇所に1本でなく、2本以上寄せ植えにしたのは、あとで発育の良いもの1本にして、発育不良の挿し木枝は切るからだ。
オレは挿し木に自信が無いからだが。
ともあれ、ビワの挿し木は完了した。
2016年の秋になれば、根付いたかどうか判明しているはず。

 もし失敗したなら、古くなったビワの木を根元から切り詰めて、切り株から多数萌芽させて、それに薄く土を盛り土して根を出させて、苗を作る、という方法でもしてみるか。
その方法だと古木を切り詰めてから苗木を作るので、収穫できない空白の年が何年もできてしまうけどな。
2016年3月1日 記
追記 夏の間に大分枯れ込んだが1本が助かったみたいなので、晩秋までそのままにしたが、様子が悪かったので引っこ抜いたら、根が全然出て無かった。全滅の失敗!だっ。

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