ブルーベリーの根っこを見たら、なんじゃこりゃ、根付いてないぞ!
 那須高原も春の芽吹きで、オレのブルーベリー畑も苗木が芽吹き・・・。
といいたいが、なんじゃ現実は!。
芽がでてこないか、芽の出るのが不調なものがあるぞ。
去年はよく伸びたけどさー。

 安心しきっていたが、今年は良く伸びるものも多いが、伸びが悪いものがあって目立つぞ。
今年は思い切って、地下の根っこの様子を、シャベルで掘って根を見てみた。
掘ってみたら・・・・、周囲の土壌にほとんど根付いてない!。
これじゃ、芽が伸びないわけよ、根っこが成長してないんだから。

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 根元に今までさんざんオガクズをかぶせてきたが、それは延べ何百回も補充してきたが、10年に及ぶ経験からいうと、ブルーベリーはオガクズには根を張らない!。
少しは根を伸ばすけど、少しだけだ。
5月みたいな晴天の日がつづくと、オガクズが乾燥しきってしまい、伸びた根っこは丸ごと乾燥死してしまう。
乾き過ぎるわけだ。
だから、根元に与えるのは、元々は水苔であるピートモスがいいね。

 あと、掘ってみてわかったことだが、ブルーベリーが深植えになってしまっているものが多い。
根元にマルチングといって、有機物を補充することが推薦されているわけだが、オレもやっていたのだが、これをやると、根がだんだん地下へとおしやられていく。
埋まった主幹から、新たに発根すればいいんだが、オガクズだの枯れ草だと、なかなか根が伸びてこない!。
ブルーベリーの根は、選り好みがひでえな。

 それで元々あった根っこ部分が、地下深くまで沈み込んで、過湿で死んで、黒っぽく変色しているわけよ。
地下の根がそんな不調だから、地上の枝も発育不良を起こす。
だから、芽の出るのが不調になったわけだ。
と、いうことがわかった。



 深植えになっているからといって、掘り出して苗を植え直すことは、根付いてる根も切られてしまい、さらなる大幅な発育不全を起こす!、ということが経験上わかっていた。
もう、発育不良には、ホトホトホト困り果てていた。
そこで今回は、シャベルを苗の近くの地面に突き刺して、テコの原理で、苗の下から土を持ち上げて、苗を少し浮上させた。
シャベルで、グイッ!と苗を押し上げたのさ。

 持ち上げても、そのままだとまた沈下してしまうから、持ち上げた隙間には、さらに外側にまたシャベルを突き刺して、テコの原理で土を地中で横滑り?させて、地下を穴埋めした。
苗を中心にぐるぐる回りながら、シャベルで突き刺して、土を移動させて押し上げていった、わけだ。
手にマメはできるし、重労働で疲れるぜ。

 作業の最後に、幹から発根をさせるべく、根元付近にだけピートモスを与えた。
上からピートモスを乗せるのではなく、幹の根元とか、苗の真下とか、に手を突っ込んで、ピートモスを幹にかけてくるむように押し込んだ。
後日になって見てみると、周囲のオガクズは乾燥しているというのに、根元のピートモスだけが湿っていた。
ピートモスは保湿力抜群だわな。

 なお、ピートモスの粉末に水を混ぜても、なかなか水を吸わない!。
おまけに乾いたピートモスは水をはじく!。
というやっかいな問題がある。
だからオレは、サチュライドという界面活性剤をピートモスに混ぜていて、水を吸わせやすくしてある。
サチュライドは高価なので、食器用洗剤でもいいんじゃないかなあ?。
食器を洗う洗剤は人の口にも入る可能性があるので、危険性の無い成分を使っているみたいだから。

 なお、ピートモスにはコーティング肥料も混ぜてる。
化学肥料を混ぜないと育ちが悪くてさ。
ピートモス『だけ』だと、挿し木苗が黄変を起こして発育不良になった経験があったのでね。
成長のためのチッソがピートモスの分解に使われてしまい、植物の成長に回らない、という事情があるからで(C/N比という)、オレはそれに懲りていた。

 解決策は、ピートモスに化学肥料を多めに混ぜれば、よく伸びる。
ただし!、化学肥料でも、硫安だと、与える量の多少がわかりづらいし、多過ぎると葉っぱが枯れ出す。
硫安でオレは失敗したことがあってな。
だから、ゆっくり効くコーティング肥料を、今のオレは使っている。

 あと、ピートモスは、フルイを通してある。
10ミリくらいのザルを通して、ピートモスの塊はそれ以下の小ささにしてある。
ピートモスの固まりが大きすぎるものは、それは水を吸いにくいからだ。

という具合で、オレの対策は、失敗失敗の積み重ねだな、まさしく。



 それにしても那須高原での造園は、10年を超えたというのに、利益がほとんど無くてなあ。
事業失敗か?。
何が悪いのかといえば、一言でいえば、成長が悪い。
自分のウデのせいだと思っていたが、自宅のある水戸の方の土地では、同じオレがやっても、ブルーベリーは比較的よく育ってる。

 ウチの近所だと、ずいぶんラクに育つ。
那須高原の土質が、ブルーベリーには向いてないみたいだ。
土は酸性なので、ブルーベリーに向いた酸性度ではあるけれど、土が痩せているというべきか。
いや、それだけではない!。

 オレは那須高原まで向かう長い道中で、道沿いに点在している他のブルーベリー園も観察している。
が!、ハイブッシュブルーベリーは、年月が経つうちにだんだん衰弱して枯れ出していく、のを見ている。
そのような園がいくつもあるのさ。
新規就農で軌道に乗るどころか、栽培不振で行き詰まって、何年経っても改善せず、廃業するかどうかになった恐ろしい姿さ。

 ブルーベリーを元気良く育てるにはピートモスを与えればいい、とか本には書いてあるが、木が大きくなって根がピートモスの範囲をこえたあたりから、発育が鈍って、おかしくなってくる。
手塩にかけたブルーベリーが、だんだん枯れ出すなんて、きっついぜ。
ハイブッシュブルーベリーの話ね。

 他人のことを言ってる場合じゃないや。
オレ自身がもう、半分片足を突っ込んでる!。
2015年オレは、那須高原にある農園のうち、条件の悪い区画のところから、ついに規模縮小を始めたのだ。

退却しつつも大攻勢をかける
 2015年の5月、ブルーベリーの苗木の芽吹きの悪さにショックを受けたオレだが(またか・・・)、そうはいってもだな。
ただ規模縮小するわけではなくて、利があるところは食い下がりつつ、計画的後退というべきか。
いきなりやめて投げ出すなんてことはオレはしねーよ、ふん!。
以下、いくつもの作戦を考えて、実行にとりかかった。

【ひとーつ!、その1】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 T172を全面的に使うこと。
オレが植えた苗木の根っこを見ると、ラビットアイといえども、根付きの悪いことといったら・・・ひでえぜ。
自宅近くの水戸の畑だったら比較的よく育つのに、那須高原の方はオレが同じように植えていても、かなり育ちが悪いんだ。
ウデのせいだけではないことを暗示している。

 那須高原の園では、ハイブッシュはそもそも自根の育ちが悪いのはわかっているから、ラビットアイを主体に植えてある。
オースチンとかティフブルーとかクライマックスとかあるけど、ラビットアイならどれも結構育つだろうと思っていたが、実際に育ててみると、意外と発育不良を起こす品種が多いんだ。
休耕田で過湿のせいもあって、複合要因だ。
オースチンにはだいぶ力を注いできたが、これは弱くてダメだ、もう!。

 よって、発育不振気味のものは、思い切ってその苗や品種は放棄してしまおう!。
何年もかけて育てた苗が今でも大きくなっておらず、それを自らの手で切り刻んで廃棄するのは、事業の傾きや人生の敗北というのを実感したよ。
言い過ぎか、これは。
ともあれ、今後の新植は、樹勢が最も強いT172のみとする。

 この品種を台木として育てることにした。
そうはいっても、現実にはティフブルーでも良く伸びてる個体があってな。
ティフブルーは台木にふさわしいほど強い品種じゃないから、オレは新植はしないけれど、でもよく伸びたものは切り刻むのはモッタイナイ・・・。
だから、既存の苗でもよく伸びたものはそのまま使い、新規で増やしていくラビットアイはT172のみとする、ってことだな。

【ひとーつ!、その2】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ピートモスを与える、ということだな。
オレは今まで大してやっていなかった。
水戸の方の畑では、黒土でもなんとか育つんでね。
でも、那須のブルーベリー畑の方は、育ちが悪くてさ。

 ほりとった小さな苗木でも、T172だけ優先的に大事にして、ピートモスでくるんで養生しなおすことにした。
だが、クライマックスだのオースチンの発育不良苗木は・・・・切り刻んで廃棄!、した。
ただし、ティフブルーでも育ちの良い個体のものは、台木用として残してあるが。

 与えるピートモスの用意だが、ピートモスの巨大な固まりを、軽トラの荷台を容器代わりにして、足で踏んで砕いて、界面活性剤のサチュライド、コーティング肥料を適当な量を与えて、足で撹拌して、ピートモスの大きな固まりをつぶしていく。
さらに10ミリ角のフルイにかけて均等に混ざるようにする、という手順で用意したが、粉末を吸い込んでしまい、ゲホッゲホッ!。

 のどをかなり痛めてしまい、健康に悪い。
調整したピートモスに水を混ぜたものを、実際にブルーベリー苗木に与えたら、苗が2次成長を始めたので、効果の大きさを実感したよ。
ピートモスは費用も体力も使うので、ブルーベリーの小さな苗木のときの養成だけに使い、基本はT172という黒土のままで育つ品種を主体にして、接ぎ木して育てる、というのが、オレの基本戦略だ。

【ひとーつ!、その3】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 黒ビニールマルチングや、古タイヤでカバーする、ということだな。
ブルーベリーは地面から新しい枝が次々に伸びて来る、という特性があるから、黒ビニールマルチングはしづらいので、オレは今までしてこなかった。
でも、接ぎ木して1本立ちすると、そのおかげで、黒ビニールマルチングしやすいわけよ。

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 オレは古タイヤも利用している。
園が草ボウボウでも、タイヤの中だけはオガクズを与えて、雑草を抜きやすくしてある。
さらにタイヤの中だけは、ピートモスも埋め込むようにして、周囲の土壌からは『隔離された空間』で、大事に育てることにした。
こうすると、草抜き面積が狭いおかげもあって、その中『だけ』は管理が行き届きやすい。

写真

 さて、古タイヤだが、経験的に言って、軽自動車のタイヤの方がいい。
普通自動車やそれ以上の大きなタイヤも使ったが、それに用土を入れて苗木を植えると、過湿や酸欠になるのか、意外と育ちが悪い。
というか、大きいタイヤだと根っこが腐って、発育不調を起こしたから。
小さいタイヤの方が通気性がよくて、良く育つみたいだ。

 タイヤだと、底面中心部の通気性が悪いからな。
あと、タイヤのヘリにぴったり雑草が生えたものは、これが刈りづらい!。
ハンマーナイフモアをスレスレに走らせても、刈り残してしまうし、刈り払い機でタイヤにぶつけながら切っても、1本ずつ周囲をぐるりと回っていくのは、100本以上の100回転以上はとてもできない!。

 だからタイヤの周囲にだけ草が残ってしまっていた。
今春になって気が付いたことだが、周囲に高く伸びた雑草は、手で、タイヤの下に挟み込んでしまえばいいことに、気がついた。
タイヤの重量でもって、雑草を押しつぶすわけよ。

写真
周囲に刈り残した草は、刈るよりも、タイヤの下に押し込むと早い。
雑草は、長く伸びている方が、押し込み易い、という皮肉ぶり。

 さらに、接ぎ木苗には黒ビニールをかぶせた。
黒ビニールは、カナダ産ピートモスを包んでいたもので、かさばるゴミだった。
これが再利用できて良いし、厚みがあって使い易い。
ブルーベリーは、何本も株立ちしている本来の姿だと、ビニールをかぶせづらいが、1本立ちの接ぎ木なら、ビニールで覆いやすい。

 以前は、新品のコンパネを購入して使っていたが、コンパネは震災で在庫払底したのと、再び出回ったあとは値段が上がってしまった。
よって、ゴミの再利用の方がタダでいいし、出費が無いので数多く確保できる。
ゴミの再利用だな、古タイヤとか、ピートモスの黒い空き袋とか。
なお古タイヤを廃棄するには、一個400円くらいの処分費用がかかるので、要注意だ。

 ともあれ、タイヤに加えて、黒ビニールで覆って、さあこれで完璧!。
と思ったら、実際にやってみたら、発育不調を起こすものが続出するありさま!。
那須の畑では、黒ビニールを敷くと、その下でネズミが巣を作って食い荒らすことが大変多くてさ。
という現実だった。
予想外の事態に遭って、オレは黒ビニールマルチングはその後、剥がしてしまった。

写真
コンパネを敷いて、その下で野ネズミが食い荒らした例

 現実とは、このように思うようにならないものだ。
さらに対策として、軽自動車のタイヤには、余っていた大型のタイヤをかぶせて、タイヤを2重にかぶせて、タイヤのヘリにぴったり雑草が生えないようにした。
大型タイヤのおかげで、周囲の雑草の大洪水からブルーベリー苗を隔離する、という作戦は、なかなかうまくいってる。

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そもそも、ブルーベリーの発育の悪さは、雑草との競合に負けてしまうという一面もあるので、草を生やさない、という単純なことだな。

【ひとーつ!、その4】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 接ぎ木品種は、『サミット』と『スパルタン』の2品種に限定してやってみることにした。
主力になるはずだったカロラインブルーだが・・・。
今年2015年の春の開花具合を見ると、カロラインブルーは開花が思わしくないわけよ。
開花数も少なければ、開花の花が病気(紫色なのでウドン粉病か?)で不調を起こしているのが目立つ。

 カロラインブルーは結実率も悪い。
もともと開花数が少ない品種だが、ミノ虫による食害も多くて、那須高原は水戸の方よりも、害虫がずいぶん多いと思う。
小さなミノ虫が、花やつぼみを、だいぶ食ってしまう。
つまり主力とするはずだったカロラインブルーが不調!、だ。

 カロラインブルーは開花や結実性がやや悪く、意外と小粒も多い。
品種としては欠陥が多くて、登録品種とするには不完全ではないかと思う。
大関ナーセリーでも扱っていないわな。
なんだか、予想外にダメっぽい。

 というわけで、その反面、南部ハイブッシュの『サミット』なら、今までの那須高原での試作でも、これは毎年よく成る。
結実性がずっと良い。
他品種の開花が乏しいのに、サミットはよく成るから、自家結実性も高いのではないかと思う。
最晩生品種のカロラインブルーで8月のお盆の収穫をねらってきたが、サミットの8月上旬の収穫でいいや、もう!。

 あと、高原は雨が多いので、果粉が少なめで青黒いカロラインブルーやブリジッタよりも、果実が真っ白に見えるくらいのサミットの方が、果実に付いた水をはじきやすくて、ちょっといい。
パックに詰めるにも、白く粉が着いてる方が綺麗に見えるのでね。

 欠点としては、サミットはやや酸っぱすぎるが・・・。
関東平野の近所で成ったものなら甘いのに、高原で作ると酸っぱくなってしまう。
酸っぱ過ぎると、野鳥にそんなに食われないし、酸味で日持ちもするみたいだから、許容範囲になんとか我慢できる・・・と思えなくもない。



 あと、もう1品種、スパルタンについてだが、那須高原ではこれはあんまりオレは植えたくなかったが、梅雨の最中の収穫になるからだ。
気温が高い平野で作るなら早い時期に収穫できるからいいが、高原で作ると熟期が遅れて、早生のメリットもあまり無くなってしまう。
とはいえ、この品種は人気が凄い!。
すごく販売しやすい。

 水戸の方ではスパルタンは6月末日ぐらいで収穫終了になるので、那須高原で植えれば、2週間ほど延長できよう。
スパルタンの木を作っておけば、将来、育った木を水戸に引き揚げることになっても、スパルタン接木の樹なら、まだまだ再活躍できるだろう・・・。
しょうがあるまい。
事業を縮小したり、仕事が傾く?のは、今のご時世ではよくあることだ。

 と、考えて、那須高原では、サミットとスパルタンの2品種に統一することに決めたが、それでやっていこうとしたら、現実はまたしても予想外のトラブルが発生!。
今年も接ぎ木をしてさ、それを大事にしていたが、穂木から芽が伸びてこないわけよ、特にスパルタン。
サミットの方が、接ぎ木の成功率が高い。
経験的に言って、スパルタンは接ぎ木が難しい方だ。
サミットはかなり簡単な方。

 10本接ぎ木して、スパルタンが半分以上も失敗して3本しか成功しなかったとすると、サミットなら10本接ぎ木して6、7本成功する、という印象だ。
カロラインブルーの接ぎ木は、成功率が中間ぐらい・・・、どっちかといえばやや難しい方。
ついでにいえば、キウイやユスラウメ、スモモ、ユズなど他の接ぎ木はやや簡単な方だった。
要するに、スパルタンは接ぎ木がしづらい品種、だ。
つまり、那須高原でもスパルタンを育てようとしたが、接ぎ木で半分以上も失敗してしまった。

 接ぎ木に失敗すると、台木はダメになるわけでもないが、すぐ再生してこない台木もあって、ダメージが大きい。
というわけで、またしても懲りたので、サミットに統一しよう。
統一といっても、これからやることだが。
スパルタンは、自宅近くの水戸の方で育てることにしよう。

 サミットは酸っぱくて長期休暇のお盆にもぴったり合わないから、栽培容易といっても、この品種で統一するのは、B級グルメ化といっても過言ではないが、那須高原でのオレのブルーベリー事業が右下がりなのは、認めよう。
ただ崩壊していくのではなく、使える箇所は使っていこう。
オレは補助金とか借金は無いが、断られたのでできなかっただけだが、もし借入金をしていて返済の期限が迫っていたら、と思うとゾッとするぜ。

 あ、そうそう、ブルーベリー以外にも、他にも新規導入を2つ予定だ。
規模縮小といってるそばから、新規導入の話をするのもナンだが、那須高原でブルーベリー以外にもイチジクとブラックベリーをやってみる。

【ひとーつ!、その5】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 イチジクは、ロンドボルドーという品種。
これを那須高原にも導入してみよう。
自宅に植えてあって、これがよく伸びたので、挿し木用の余剰枝が採れるようになったから。

 この品種は比較的に寒冷地に強いそうなので、ロンドボルドー母樹からヒコバエ苗を採取して、2015年春に那須高原に何本も植え付けた。
が、5月末に見たら、根付いて展葉したのは1本だけだった。
・・・なんか、こう、予想どうりにならない展開が多いな。
予想外の連続で、アテが外れることの連続で、新規事業とは、起業とはこういうものなんだろう。

 生きたか死んだかわからないような挿し木を観察して、思い切って、不調イチジク苗は引っこ抜いて廃棄!。
結局、養生するのは1本だけとなった。
原因を考えると、今年の那須高原の5月は異常に乾燥して(この10年間で2度目だから、またあるだろう)、地面にじかに挿したイチジク挿し木は、過乾燥で根付かなかったらしい。

 自宅の庭では、バナーネがよく成って果実もずっと大きいから、卓球の玉ぐらいしかないロンドボルドーは那須高原に随時移植してみよう。
以前にもコンテッシナという耐寒性品種を試作したことがあって、結実性が悪い方だったのでそれは断念したが、ロンドボルドーは結実性が良い方。

【ひとーつ!、その6】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ブラックベリーは、プライムアーク45という品種。
以前に那須高原でブラックベリーも試作したことがあって、それはソーンフリーという品種だったが、あまりにも酸っぱかったのと、果実の部分的な腐りが酷かった。
ブラックベリーは、小さな粒々の集合体の果実だが、その粒の一部に腐りが混じってしまうわけよ。

 腐ったのではジャムにもできないし、ヤブ化も酷いので、ソーンフリーは栽培をやめてしまったが、ブラックベリーでも『プライムアーク45』という品種は、ずっと甘いし、腐りにくい品種だという。
しかも直立性品種で、ヤブにはなりにくいようだ。
ソーンフリーは半直立性だったしな。
つまりソーンフリーの欠点を、プライムアーク45は、大幅にうまく改善しているみたいなんだ。

 ただし!だ。
ソーンフリーはトゲ無しという最大の特徴があるが、名前自体がソーンフリー(トゲ無し)だが、プライムアーク45はな、これは壮絶なほどにトゲが有る!。

写真 写真

 鋭いトゲがぎっしり着いて、本格栽培は困難ではないか?、と思うほど。
オレんとこではプライムアーク45はまだ試作一年目なので、果実を味見したことはないが、このトゲについてだが、解決案はある。
オレは、トゲの鋭いユズ栽培の経験からいって、トゲがたくさん着いた剪定枝は、地面に埋めればいい、ということを知っていた。

 地面に埋めておけば、長靴の底やタイヤに、トゲが突き刺さらなくて済む。
穴掘りは大変だ。
だが!、オレには小型の油圧ショベルがあるので、深く長く掘れる。
枯れた枝は、そこへ放り込めばいいのさ。

 トゲのある枝の持ち方だが、クリ拾いのときに使った刺突防止用のゴム手袋をはめて作業すれば、どうってことはないだろう。
ブタ革の手袋でも、一定の効果はある。
太枝切ハサミで枝を切って、刺突防止の手袋で枝をそっと運んで、ユンボで掘った深い穴に放り込んで、掘った土をかぶせてしまえば済む。

 あと、トゲがこれだけびっしり着いていれば、野鳥による被害や、ハクビシンが果実を食いまくる被害についても、トリが木に止まることも、ハクビシンが木に登ることも、猛烈なトゲで不可能だろう。
ハハハッ(笑)!。
ひょっとして、ブルーベリーよりも、ブラックベリーを育てる方がラクかもな。

 プライムアーク45は、大関ナーセリーのある土浦市で7/1ごろ熟すそうだから、那須高原では7/15ごろとなってまだ梅雨時だから、果実が濡れやすいかもしれない。
収穫して販売できるかどうかまでは、まだわからない。
とイロイロ想像しても、実際に育てれば、また予想外の事態の連続で、失敗の連続にもなるんだろうなー。

 実際にこれからやってみよう。
それにしても、早く収益を上げてえなあー。
試行錯誤は疲れるし、トシを食い過ぎるぜ。
2015.6.6 記
作者を誉めるメールを送ってくれえ〜!
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