家庭果樹【三位】キウイ
 オレが20年以上も栽培している中で、収穫量ナンバー1はキウイだ。
品種は香緑(こうりょく)で、じつによく成る。
最も大量に収穫してきたのに、なんで三位に留まっているのか?、というのは、いくつか欠点があるからだ。
香緑は、やや小玉が多すぎる。

 小玉がそんなに問題かというと、キウイならではの事情があって、小玉は皮むきが大変なのと、毛まみれになるからだ。
成るがままに成らせると、タマゴのMサイズぐらいのが大量にできる。
小玉のジャガイモだって皮むきは大変だろうけど、キウイの香緑は毛深くてな。
他のキウイ品種よりも果実の毛がちょっとだけ長い。
というわけで、調理するとき、めんどくさいわけよ。

 小玉をチマチマと切って、細かな毛が周りの調理具にゴチャゴチャと付着する。
包丁にも付くし、食器にも付く。
スーパーで売っているキウイは、あれはブラシをかけて毛を落としてあるからね。
家庭で収穫したキウイも、軍手はめてゴシゴシこすれば毛は落とせるが、20個や30個ならともかく、小玉のキウイを100個とか毛取りとなると、ホントにうんざりしてしまう。

 摘果すれば大玉にできるが、摘果の時期は、もう暑くてたまらん!。
ツルがこんがらがってヤブだしよ。
果実の小ささや毛については、大した問題ではないだろ?、と思うかもしれないが、いざ自分で栽培して他人にあげるとなると、貰った人が「また欲しい」というかどうか?。
お金を出して買ってくれるか?、となると、そうはいくまい。

 オレがキウイのどうでもいいように見える欠点をあげつらっていくことは、読んで心証が悪かろうけど、いざ実際に過酷な現実を突きつけられるのは、栽培者本人ということさ。
園芸カタログを見るのなら、読んで楽しいし夢一杯だけど、そのような良い話はカタログの中だけでもうたくさん。
園芸カタログの果樹は、オレから見ても魅力的で眺めるのは好きだけど、現実に育てれば写真どうりには成らない。

 さて、キウイの他の問題は、剪定も面倒。
冬の時期にやるけど、キウイは、ものすーんごく、こんがらがる。
剪定量はハンパな量ではない。
うんざりする作業量だ。
経験的に言って、絡まってこんがらがっている部分はまとめてばっさり切って、1mほどすんなり伸びた枝を残しておくだけでも、よく成る。

 キウイの追熟は独特だけど、これも意外とやや難しいね。
リンゴと一緒に袋に入れるのは簡単だけど、実際にやってみるると、キウイが腐ってしまいやすい。
しかも袋の中は毛まみれだ。
追熟失敗は、気温が高すぎるのが主な原因だから、収穫したら冷蔵庫に入れっぱなしにして、冷蔵庫の中で熟させるようにすれば、そのまま保存も効くし、腐らない。
なお、キウイの酸っぱさについては、香緑という品種は鋭い酸っぱさがないので、味そのものは良い方だろう。

 とまあ、キウイには、いくつか問題があるわけよ。
解決策はあるにしても、実行するのはめんどくさかったりしてね。
オレは本気で改善をはかって、夏に摘果励行して、秋の収穫時にも小玉や変形のものは放り捨てて、大玉だけ厳選して、軍手で毛をこすりとって、冷蔵庫で30個ほど保管(多すぎると入らない)、という作戦で一応うまくいったけど、これじゃ元々はたくさん成っても、実際に食べられる量は少ないがな。

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 キウイを家庭果樹の三位に推薦するけれども、もっと上位に向上させるべく、有望そうな品種も試作しているから紹介しておこう。
紅キウイという商品名のキウイ品種で、果実の芯が赤い系統のものだ。
このキウイは毛がない。

写真

 ただ、オレんとこではまだ一個も収穫していない!。
だから、これを推薦というわけにはいかないけれど、香緑の欠点をうまくカバーしているので、述べてみる。
紅キウイは、香緑よりもさらに小玉だ。
しかし!、果実の表面に毛がなくて、つるん、としている。

 包丁で皮むきしやすそうだし、皮ごと食ったっていい。
つまり、香緑よりも食べやすくなっているわけよ。
直売所で果実を買って食べたことがあるが、良い果実だったな。
また追熟なしでも、木の上で完熟する。

 鳥の被害が出そうだがね。
とあれ、追熟期間が一ヶ月も二ヶ月もかかるのよりは、簡単だ。
剪定についても、紅キウイは、枝が細い。
しかも、伸びの量が少ない。

 つまり、ヤブになりにくいわけよ。
そもそもそんなに伸びないわけだから。
キウイの香緑はオス無しでも結実する傾向があるようだが、紅キウイは早生で開花する専用オス品種が必要だとかで、すんなり成るわけにもいかないだろうけど。

 重要なこととして、紅キウイの苗木を買ってきて、そのまま植えたものは発育が悪かった。
香緑に接ぎ木したものは、これが大変元気よく育っている。
香緑を垣根仕立てで育てて、地面に付いた枝から根っこが生えてしまったものがあってな、予想外の苗ができてしまったので、試しに予備のため紅キウイの枝をそこへ接ぎ木したわけよ。

 そしたら、大変よく育っている。
もともとの紅キウイの苗は、予想外なことに、植えても育ちが悪いまま!。
もともと成長不良気味な品種らしい。

写真
穂木は細めだが、台木は太め

 が、今回新たに香緑という生育旺盛な台木に接いだことで、調子がじつにいい。
キウイは、枝が地面にずーっと接していると根っこが生えてくるわけだから(放任ともいう)、苗は作りやすい方だろうな。

 まあ、キウイは2品種を同時に栽培しとけば、香緑が追熟中に紅キウイを食べることができて、うまくカバーしあえるんじゃないか。
と、実際に口に入れるまでは安心できないけどな。
あと数年すれば、ひょっとしたら紅キウイが今年2015年に初結実で実るかもしれないが、ともあれ、紅キウイが無くても、香緑キウイだけであっても、家庭果樹3位に評価しておこう。

一応終わり。
2015年3月29日 記
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