家庭果樹【一位】接ぎ木スパルタンのノウハウ
 ここらへんで、果樹の育てやすさや味でランク付けをしてみるとするか!。
育てやすいうえに美味しい、という果樹はどんなものがあるか?。
順番でつけていってみよう。
オレが実際に育てた経験からだ。

【一位】接ぎ木スパルタン
 なんといっても、味よく、粒が大きいので、他人にあげると反響がスゴい。
好評だ。
自分で食べても美味しい。

 自分で育てていると、小さい粒のブルーベリーでもちゃんと美味しいと思うが、他人にあげると、小さい粒はさほど評判がよろしいわけでもない。
小さくても大きい粒のと味が同じであってもだ。
だから、ブルーベリーは大粒であることがとりわけ大事だ。
小粒は収穫もめんどくせえしな。
大粒の方が収穫スピードも早い。

【接ぎ木スパルタンのノウハウ】
 ノウハウを述べていってみよう、育て方についてだ。
スパルタンは苗木が小さなうちなら鉢植えでもちゃんと育つが、たくさん収穫できるように大きな樹にするには接ぎ木をしないとな。
というか、自根のままだと、大粒があまり数多く取れなくなってきてしまう。
中粒が多くなってさ。
自根だと枝の成長が思わしくないから、果実の成長にも差し支えがあるわけで、つまり枝の伸びがしょぼくなってくる。
だからラビットアイの接ぎ木にしなくちゃならない。

 ハイブッシュはピートモス栽培とか木材チップ栽培とかあるが、自根で育てるのはそれらの用土を使った鉢植えならいいけど、露地植えというか地植えにすると、とたんに発育が悪くなることがある。
で、接ぎ木だが、オレの経験では、接ぎ木苗を買ってくればイイだろうとばかりに地面に植えると、これの成長が悪い!。
オレの管理が悪いといえばそのとおりだが、ハイブッシュは元々生育が悪いので、それにひきずられて接ぎ木苗も生長が悪いようだ。
現に、ラビットアイの台木からラビットアイの芽が伸びだすと、それはよく伸びる。
ハイブッシュの接ぎ木部分はなかなか育たない。
ハイブッシュはもともと伸びが悪いのだろう。

 というわけで懲りたので、ラビットアイで育てて、それが発育良く育ったものに接ぎ木すると、調子がいい。
台木に活力があるからな。
活力ないものは育ちが悪い。
というか、2、3年生の小さなラビットアイ苗木に、幹も細くて穂木とピッタリ太さも合うような台木が、それに接ぐと、そのあと成長が遅いんだから。
もっと大きく育ったラビットアイの方が発育に勢いがあって、その方がいい。
ということがわかったさ。
もう失敗と失った年月の打撃があまりに多すぎて、面白おかしく解説する余力もない。

 で、ダラダラ書いちまうぞ、が、ここでまたノウハウだ。
幹が1センチとか2センチとか、太い幹に高い位置で接ぐと、元気よく伸びたあとに、強風でポッキリ折られやすい!。
2年とかかけて育った接ぎ木が、台風のときなどに、接ぎ木部分から折れてしまうのだから、打撃はとんでもなく痛い!。
1年目でもよく折れるよ。
しっかり癒合したはずの2年目以降であってもだ。

 だ・か・ら、必ず、イボ竹などで添え木を当てなくちゃならない。
そこへ成長で伸びていくに伴って、縛り付けていく。
棒を当てていても、木が伸びれば伸びるほど、風でゆさぶられる面積は増えるから、またぽっきり・・・って、ひどすぎる。
ブルーベリーは、スモモなどに比べると、明らかに接ぎ木部分で折れてしまいやすい。
だから、ブルーベリーの接ぎ木は、棒で支えるだけでなくて、接ぎ木そのものにもノウハウがある。

 太い幹に高い位置で接ぐと、よく伸びても、これがぽっきり折れやすい!。
細い新芽はよく風でゆさぶられて動くのに、太い元の幹部分は堅くてあまり揺れないから、その境目である接ぎ木部分に力が加わるためだと思う。
それにブルーベリーは幹の癒合が悪い。
幹がなかなか太くならないためだ。

 太い幹に接いで、折れた経験を何度もやって懲りたオレとしては、もはや、太い幹に直接接ぐのはやめて、地面から伸びている太いシュートに接ぐようにしている。
太い幹から伸びだしたシュートを切り詰めて、そこに接ぐこともしたよ。
だけど、太い幹から伸びたシュートそのものに接げば、風でゆさぶられる衝撃は減るものの、ブルーベリーは地表近くの幹に、カミキリ虫だかコウモリガだかテッポウムシだか、幹から木屑を出しつづける幼虫が食い込みやすい。

 この被害がじつによくある。
それに地面付近の幹からや台木のシュートやサッカーの発生が多いんだ。
つまり、高い位置で接ぎ木するのは、わりに合わないということさ。
接ぎ木するなら、なるべく低い位置で接いだ方が、成長も良い、というか、高い位置で接ぐとそこからの成長があんまりよくない。

 というわけで低い位置から接ぐため、地面から伸びだしたサッカーに、太いサッカーに接ぐといい、ということがわかったんだが、理想をいうなら、地表の高さ5センチで接ぐよりも、接ぎ木部分が地面に埋まるような位置で接ぐのがオレはほんとはしたかった。

 でも、接ぎ木は穂木や台木の断面を汚したくないのに、土を掘ったら、指先とか汚れるだろ。
接ぎ木のときにナイフで削った穂木の断面に、土がついて汚れるのは、やっぱりよくないと思う。
それにポットで育てた接ぎ木苗を、接ぎ木部分が地中に隠れるように深植えすると、発育がてきめんに悪い。
他の果樹ならかまわずよく育つのに、ブルーベリーは深植えにすると伸びがわるいね。

 だから接ぎ木部分が地面に埋まるようにしたくても、実際にはなかなかできないし、それに大木に育ってくると、接ぎ木部分が地面から『せりあがってくる』んだぜ。
じゃどうすればいいかとなると、オレの案としては、幹にタイヤをかぶせてそこへ土や木材おがくずを入れて、幹のまわりに10センチほど地表を上げると解決。

写真

 タイヤが無理なら、波板で囲むとか、太い竹を2つ割りして、幹をはさんでヒモでしばって、中に土を入れるとかすればいいだろう。
カミキリムシの幼虫はフンを外部に押し出す関係上か、食い荒らすのは地面から上の部分だからだ。

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 あ、そうそう、接ぎ木の仕方のノウハウだ。
台木を2つ割りして、尖らせた穂木を奥深く押し込む、というやり方になりがちだけど、そりゃ、V字型に割った台木に深くさし込んでテープでぐるぐる巻いたら、しっかり固定できるだろうよ。
と思いやすい。

 でもな、テープはあとで剥がさなくちゃならないんだぜ。
しっかり癒合したと思っていた接ぎ木部分が、風で煽られて、折れるわ折れるわ・・・・。
悪夢だ。
昔見た接ぎ木の本で、20年以上も前だが、穂木の断面を半月状ほど残すと、かぶりやすくて良い、という意味のことが書いてあった。
オレはそれがよく理解できなかったんだが、今になって思えばまさに、経験から得たノウハウそのものだった。

写真

 接ぎ木するとき、穂木の切断面の上端をな、わざと見えるように残して、接ぐ。
穂木の断面を、台木に押し込むとき、わざと上端を残しておく、ということだ。
削った部分が、半円状に残って見えるわけだ。
わざとそうする。

 で、接ぎ木が成功すると、形成層の部分が盛り上がってくる。
今回は、切断面が一部見えるように残していたわけだから、円を描くように形成層が盛り上がってくるわけだ。
かぶる、という。
かぶりやすくなる。
こうすると何が良いか?、という意味を知るためには、オレみたいに風で穂木が何度も何度も折られまくる、という痛い失敗をしなければ、理解できなかっただろう。

 つまりだ、イラストの右端のように、形成層の盛り上がりによって、台木の端っこを覆いかぶせることによって、風がきても、イラストだったら、右からの風がきたとき、形成層の覆いかぶさりによって、つっかえができる、ということさ。

 つっかえが無かった場合は、太い幹に直接接いだときとか、薄い皮の方から幹の中心部に向かって風が吹いたときは耐えられても、幹の方から薄い皮の方へ向かって吹いたときは、穂木がすぐ外れてしまうだろ、といえば、わかってもらえるんじゃないかなー。
とオレとしては言っておく。

 自分の苗が、風で折られれば、身にしみてわかるよ、とも言っておこう。
スモモなどなら成長が早いので、1年くらいで断面をすぐ覆いつくして、がっちり癒合してくれるが、ブルーベリーは2年くらいたっても全周囲が癒合しないことが多い。

 あと、深くV字型に切り込んで、そこに差し込むと、癒合しても、Vの両脇が茶色く枯れてることが多い。
そこの枯れ部分を植木ハサミでチョッキンと切ろうものなら、接ぎ木部分がぽっきり外れてしまったりする!。
だから、接ぎ木部分で、カタチよく覆いかぶさるよう整形するには、接ぎ木ナイフやカッターナイフで、枯れ木の部分をじりじりと大事に削らなくちゃ、ならん。
枯れ木の部分は堅いけどね。

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追記 実際に2015年に接ぎ木してみたところ、切断面の半円が見えるようにするのは、穂木が固定できず動いてしまいやすく、V字型に深く差し込んだ方がしっかり固定しやすかった。
よって、昨年接いだもので、接ぎ木箇所で茶色に枯れた部分をナイフで削って、円状に癒合するように加工してみた。
枯れ木は硬くてナイフでケガしそうだったから、ミニルーターで削った方がいいかも?と思った(ミニルーター=小型のディスクグラインダー)。
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 添え木も、イボ竹などを差し込まなくちゃならないが、育ったラビットアイの台木の幹のすぐわきは、地中に太い根があって、地面にうまく刺さらないことが多い。
だから、幹に直接、穂木を接ぐんじゃなくて、幹からちょっと離れて地面から生えてきた太いサッカーに接いだ方が、元の太い幹からちょっと離れているぶんだけ、地面にイボ竹が刺さりやすい。
太い幹は、のこぎりなどで切り詰めると、根からの養分は、サッカーと地中の根でつながっているのだから、サッカーの方がよく育つ。

 なお、太い枝を切るのは、太枝切りハサミが大活躍してる。
剪定ハサミで、地面近くの太い枝を切っていると、太いと切れなくてね。
腱鞘炎になってしまうかもしれない。

 とまあ、スパルタンを栽培するには、接ぎ木が必要なんだけど、接ぎ木苗がなかなか売ってないし、買っても思ったほどには育たず、自宅で放置?のラビットアイを切り詰めてスパルタンを接げば美味に大変身するが、接ぎ木は一般家庭の園芸レベルでは難しい方なので、一苦労がある・・・。
というのが現実だけど、温室イチゴやメロンを作るよりは、ブルーベリーのスパルタンを作るのははるかにカンタンで、イチオシだ。

おわり。
あとで気が向いたら続編を書く。
2015年3月04日 記
2015年3月17日 追記

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