那須高原での2014年ブルーベリー状況
 那須高原でブルーベリー栽培に挑んでいるけどさー、今年2014年の収穫期を迎えた。(※執筆は2014年内が主)
接ぎ木して品種更新を計ったから、根元から切り詰めた樹が多くてさ。
それで樹の上部をバッサリ切ったから、収穫は乏しい。
でも、少しは成るようにしてあった。
それで果実をチェックするくらいのことはできる。
どうなったか?。

【カロラインブルー】
 今から3年後には主力にしようと想定の接木カロラインブルー。
園のうち半分をこれで占めようという野心的な作戦だが、このカロラインブルーが初めてまとまった量が今年採れた。
8月上旬から採れ出した。

 8/14ごろのお盆の時期に採れることを目標だったが、8月上旬から採れ出したので、やや早過ぎるようだ。
味は?。
なんかエグミがある。
サイズもあんまり大粒じゃなくて、中の大がせいぜいといったところ。
だいたいは中粒。
小粒が意外と大量にある。

 果実の形が凸凹でイビツなのが多いが、このことはまだいい。
一番の予想外は、大粒だと聞いていたが意外と大きくないことだ。
そのうえ、味もさほど優れない、というのが、ショックだった。
ともあれ、8月中旬までこのまま置いとけば、さらに熟して美味しくなるか?。

【サミット】
 8月上旬の時期に、南部ハイブッシュのサミットも熟した。
成った粒は、中の大が多い。
すっきりした酸味で、レモンスカッシュみたいな味だ。
美味しいといえば美味しいが、基本的にはレモンスカッシュみたいに酸っぱくて、甘味系ではないのだ。
オレの味覚では、正直やや酸っぱすぎる。

 カロラインブルーの方はエグミがあって、サミットも酸っぱいとあっては、どちらも意外とあんまり品質がよくない。
こんなはずだったかな?。
ともあれ、サミットも8月中旬までおけば、さらに完熟するかもしれない。

【エリオット】
 他、エリオットも植えたが(接ぎ木)、これは果実の成りが悪い。
成っても、中粒止まり。
しかも酸っぱい。
エリオットは晩生品種の中でも最も遅いので、お盆の時期に収穫期がピッタリ合うはず、と思っていたが、実際に育てた体験からは、結実不良が酷すぎる。
これでは無理・・・。
で、試作程度にエリオットは数本栽培するのみ。

【ブリジッタ】
 ブリジッタも植えたが、これは自根苗のためもあって成長が遅く(他のハイブッシュは接ぎ木栽培)、果実はお盆の時期までは持たない7月下旬から8月上旬にかけて熟す。
中粒が主流。
比較的酸っぱくないはずの甘い方の品種のはずだが、オレのところでは毎年すっぱい。

 ブリジッタはハイブッシュにしては、比較的には育て易い方だ。
丈夫さは取り柄だけど、中粒だし、酸っぱく、まとまったお盆休みが来る前に収穫期が終わってしまう。
ウチではややメリットが少なく、総合的にはB級といったところだ。
もっとも、さらに悪い調子(C級)の品種が多すぎるので、それよりはマシだが。
ブリジッタは試作程度に栽培継続しよう。

8月中下旬にカロラインブルーとサミットを比較
 そして、8月13、14、15のお盆の時期を2014年も迎えた。
カロラインブルーは?。
まだ未熟な果実がたくさんあるぞ。
どれも小粒だけど。

 中の小といったところだけど、それが熟している。
味は?。
酸っぱい。
えぐみはだいぶ消えたが、やや小さめの中粒止まりで、しかも味もさほど良くはない。
B級品のままといったところだ。

 サミットはまだ果実が残っている。
中粒。
味は酸っぱい。
食べ続けていると、すっぱさがつらい。
お盆の時期まで日持ちしないと思っていたが、サミットはカロラインブルーとともに、小粒は8月下旬まで収穫できそうだ。
肝心のお盆の時期の収穫は、充分カバーできてるじゃないか。
カロラインもサミットも、意外と日持ちする。

 本来、品種的にはカロラインの方が数日間ほど晩生だが、サミットの方がお盆の時期にはいくぶん大きめの粒が採れる。
サミットの方が早い時期に収穫が始まって、その後にカロラインが続いて、8月上旬に収穫最盛期を迎えて、お盆休み中には終盤となっているが、カロラインは急速に小粒に切り替わってしまい、サミットの方がまだまだ大きい粒が採れる、といったところだ。
カロラインブルーは意外と小粒が多いためだ。
お盆の期間中でいえば、サミットの方がやや大きめの果実が採れる。

 とはいえどちらも収穫後半であって、果粉は落ちて、小粒のツルツル黒色が主体だけどな。
でも、ジャムには使える。
冷凍保管用にはこれでも良さそう。

 でもカロラインブルーの欠点というのは、そもそも品質どうこうよりも、枝が伸びても実がならない枝というのが多すぎることだ。
花芽形成不良、結実不良気味なんだ。
カロラインブルーは樹の調子が悪いと、花芽皆無になる枝が多いので、花芽がつかなければ果実も成らない。
枝は硬質でシャキッと樹形が良い。
剪定は簡単だ、花芽が少ないから。
 
 一方、サミットは果実の重みで枝がぐんにゃり曲がって垂れ下がってしまい、添え木をしてヒモでいちいち引っ張り上げなくちゃならない。
サミットがパテント品種にならなかったのは、枝が開張性すぎて機械収穫に不向きだからだろう。
でも、果実の果粉も多くて真っ白みたいにブルームがつくので、見た目もイイし、冷凍庫で多量に長期保管ならサミットの方がいいだろうなあ。

 しかも、サミットはじつによく成って、異品種の受粉がなくても、一本だけでも沢山結実するようだ。
ただし果実はちょっと数がぎっしり成り過ぎて、そのままだと小粒が出来過ぎてしまいそうで、剪定がめんどうくさい。

ラビットアイも収穫開始
 ラビットアイのブライトウェルが、2014年は8月上旬からぼちぼち熟した。
毎年8月の下旬まで待ってからの収穫がメインだったが、熟し始める日が年々早くなってきて、2014年は8月上旬から採れ出した。
だが樹の上部の枝がボキボキ折られていて、熟した果実が無くなってた。
こんな現象が初めて発生!。
カラスが乗って食べているのかと思ったが、枝の折られっぷりがあまりに酷いので、ハクビシンが来て樹に登って食べたようだ。

 ニホンザルは近所まで来ていると聞いているが、うちのところまではまだ確認していない。
とりあえずハクビシンとして、今年の夏は、これに果実を食われまくった。
が、ハクビシンも食べきれないほどブライトウェルに果実が大量に熟したことで、人間様が収穫できるようになったのは8月中旬過ぎだ。

【ブライトウェル】
 味は?。
皮が口の中に残る。
硬い皮だ。
味はガサツで、B級品がやっと。
C級品も大量にでる。

 総合でいえばB〜C級品といったところだ。
なにしろここ那須高原は気温が足りないせいか、うまく完熟できないようだ。
よって熟度や糖度が、だいぶ見劣り気味。
ブライトウェルは早生で樹の育ちもマシだから、那須高原ではこれでもまだ良い方だ。
他のラビットアイはさらに酷い。

 なお冷凍庫でブライトウェルを保存して、11月になってから食べてみたが、この冷凍ブライトウェルは、第一あまりうまくない。
収穫時には厳密にチェックして、良いものだけを冷凍にしたんだが。
あと、果皮に虫があけた小穴が多すぎる。
それが冷凍時に中身の汁が、果実の外に出ちゃっている。

 どうしたわけか、オレの農園ではブライトウェルの果実に、害虫の被害が多い。
もともと味がそんなに良く無い上に、虫の吸った穴がよくあるのでは、致命的といってもいい。
どうしよう。
台木にしてしまおうか?。



 お盆の期間中に、観光客を農園に入れて摘み取りをやってもらおうと、10年以上前からそれを想定してブルーベリー農園を作っていたわけだが、肝心の果実がうまくできてないわけだ。
人生を賭けた事業が、こんな事態になってて、オレの人生を否定されたような気分だ。

 あと、農園にはブヨという腫れ上がる害虫が、毎年たくさんいる。
ミントを殖やすよう対処してきたが、ブヨにはどうにも効かないようだ。
根本解決を狙うとすれば、小川があるような場所じゃなくて、今の場所をやめて、高台のような乾いた別の場所にするしか対策はあるまい。

 オレの推薦する服装としては、長ズボンに靴下、というのがブヨ対策からいっても最低限必要だが、夏に観光客の足下をみると、半ズボンにサンダルというのがあまりにも多い。
夏に靴下はいている人は、観察した限りでは少数派だった。

 ブヨの腫れはあまりにも酷いことから、よってウチの園では、一般客の観光摘み取りは不可能だろう・・な。
観光果樹園を断念か・・・な。
よって、観光農園じゃなくて、茨城の自宅よりも2週間ほど時期が遅くなるのを利用して、オレが自力だけで摘むことが、残された手法になる。

 つまりスパルタンを植えれば、茨城だったら6月末日で収穫が終わるが、那須高原に植えておけば2週間ほど収穫と出荷をまだ続けられる、ってこと。
梅雨真っ最中の収穫になるから、あんまり気乗りしないけど、まあ、スパルタンは雨で裂果しないから、栽培が無理というわけでもない。
でも今から那須でスパルタンを育てるってか?。
一からやり直しじゃねえか。



【プレミア】
 2014年、那須高原のオレの園で、ラビットアイのプレミアという早生品種も成ったが、これは小粒で、裂果もひどい。
第一、食べてもうまくない。
不適地なのだろう。
でもまあ、台木や、動物の被害担当役として、囮用に使える。

 囮用というのは、8月上中旬にハイブッシュだけでなくプレミアのようなラビットアイも多量に成らしておくと(品質は悪くても)、接ぎ木ハイブッシュの果実への鳥の被害も少なくできるわけだ。
ハクビシンの被害にしてもね。
魚の産卵なども、いっせいに行われるが、それは外敵の被害を少なくするためだったな。

 オレが作っている那須のブルーベリー園は、防鳥網も防獣柵も無いのだから、少しずつ長い期間に収穫するよりは、いっせいに同時に熟すようにして、腹一杯にさせてそれ以上食えなくなるようにした方が、外敵の食害を少なくできるわけだ。
その意味で、接ぎ木でサミットやカロラインブルーを成らせるなら、同時期のプレミアやブライトウェルも同時に成らせておくのがいいわけだ。
台木にするのは後回しにして、しばらくはオトリ用だな。

【オースチン】
 オースチンという品種が、ブライトウェルと似た良い品種だと思ってオレは100本以上植えたが、この品種は発育が弱い。
伸びがやや弱々しいのだ。
オレの園は土壌が不十分なところなもんだから、発育不良を起こして、毎年ろくに伸びないものが多数発生してしまった。

 熟期もブライトウェルの後日になって、お盆休暇も終わった8月下旬で不利。
9月に入れば、那須高原は雨が多くなって果実は次々に腐っていってしまう。
8月下旬にようやく熟したと思ったら、月末までに収穫を終えなくてはならないとあっては、土日の休みも限られているから無理がある。

 オースチンの味や成り具合は、ブライトウェルと同等で、他より味が優れているわけでもない。
発育が弱いので、台木にも不向き。
100本まとめ買いして10万円払ったが・・・10年かかってわかったのは、那須高原に植えてもこれは失敗だったということだ。

 なんとか大きく育ったオースチン苗木は、ハイブッシュ台木に転用すればなんとかまだ使えるが、育たずに発育不良で小さなままの苗木は・・・伐採してしまおう。
何年も育てた苗木を廃棄しなくちゃならないなんて、オレは自分の人生を否定した気分だ。
駄目だとわかったとしても、実際にはそう簡単に投げ出すなんてできねえけどな。



【フェスティバル 別名 T172】
 フェスティバルも果実生産用に今まで大きく茂らせてきたけど、この品種は明らかに結実不良の傾向がある。
ただし、ブルーベリー全品種中で一番に屈強で、よく育つ。
ピートモス無しでも育つ(ただし幼苗時を除く)。

 フェスティバルをあらためて説明すると、大変よく育つが、成る量が少ない。
熟期がブライトウェルの後で、8月下旬がメインで、しかも味が思ったほどにはあまりよくない。
ここ那須高原では気温が足りないためのようだ。

 でもフェスティバルは、樹は最強によく育って、オレの農園が瘠せ地のこともあって、他の品種のヒョロヒョロ発育にはホントに困り果ててきたから、フェスティバルには大注目している。
台木用ならじつに最適。
となれば、台木専用にせざるをえないじゃないか。
最強によく育つといっても、雑草や雑木に比べれば、成長は弱い。
だから小さな苗木のときはピートモスをやって、雑草は取り除いて、大事大事に育てなければならない。

 小さな苗木のときは、むしろホームベルの方がよく育つかなあ。
ホームベルは分岐しやすいのか根が多いみたいだし。
苗木確保としては、ホームベルの方が出来やすいけどな。
サッカーが多発するから掘り採ればゲットできるし。

オレが那須高原で作ったブルーベリーの味は?
 今まで、ブルーベリーの樹の育ちの不振ばっかりに気をとらわれていたが、多少はようやく育ってきて、味のことにも気を向ける余裕ができてきた。
とはいえ、那須高原では全体的に味が冴えない。
ようやく育つようになったら、今度は味も不振かよ・・・。
このことを果樹園日記に書き記すのは、ツライ。

 ラビットアイの味が冴えないことはわかっていたが、その対策としてハイブッシュに接ぎ木したら、という案があった。
そして、何年もかけて接ぎ木もやって、今年になってわかったことは、ハイブッシュでさえも味の不振・・・。
カロラインブルーが思ったほどには優れた味がでなかったんだ。
一難去ってまた一難とはこのことだ。

 という具合で、だから果樹園日記の中で、那須高原のブルーベリー果実をネット通販の宣伝ができないわけさ。
話題にもしづらい。
言い訳すると、那須高原は牧草地が主流で、果樹園芸はほとんど行われていないが、要するに、作っても品質が悪い土壌なわけね・・・。
牧草だけ育てて、それで牛に食べさせて、牛乳や肉を作るには良くてもさ。

 ちなみに、那須高原のオレの借地の住所を改めて知ったら、那須町高久丙(たかくへい)で、昔、高久(たかく)氏という殿様が田畑の善し悪しを甲乙丙で区分けしたそうで、丙は悪いわけで、オレのところの借地は丙であった。
栽培を始めて10年も経ってから初めて気付いたよー。

 当初、ブライトウェルとオースチンとフェスティバルの3品種でやろうとしたが、オースチン発育不良、フェスティバル結実不良。
ブライトウェルまで駄目だったらブルーベリー栽培をあきらめるしかない、とまでオレは思っていたが、ブライトウェルはお盆の時期は完熟できず、品質はB級止まり。
スタートしてから10年かかって、このザマかよ!。
オレはがくぜんとした。

 そこで、品質の良いハイブッシュに接ぎ木更新を計ったが、今年2014年の試作からは、主力にするはずだったカロラインブルーの品質が冴えなかったので、これにもショックだったというわけさ。
つまり失敗が重なってしまっている。
ただし、全部が失敗だったわけではない。



 今まで、樹の育ちが悪かったことが悩みのタネだったが、接ぎ木のために切り詰めたらさ、根元から再生してきた新枝がたいそうよく育って、2014年は過去最高の伸びを記録した。
発育不良で悩んできたのに、最高の伸びを記録した、って、なんたる皮肉だ。
ともあれ、大幅に切り詰めて更新するのは、ハイリスクハイリターンで、気分的にもそうそう出来ることじゃあ、ないけどな。

 切り詰めてからの伸びに関する情報をちょっと詳しく言うと、ブルーベリーというのは、曲がりくねった幹よりも、接ぎ木失敗して再生してきた枝の方が、よっぽどよく伸びる。
幹が動脈硬化というか、導管硬化?を起こし易くてさ。
切り詰めた方が、枝を直線的にした方が、かえってよく伸びるわけだ。

 ただし!、切り詰めたらそのまま再生してこなくて、枯れてしまったかと思われるものが、2、3割ほど出た。
あとで新芽が伸び出してくるかなと思って、マルチをのせておくと、いつまで経っても芽がうまく出て来ない。
芽がでてこないが、でも掘り出すと、根っこはまだ死んでないことが多い。
根は生きているし、5、6月に出てこなくても、盛夏の8月には出てくる。
だから、掘り出して捨てたのは、もったいないことしたなー。

 だからその知識を生かして、今年2014年は発芽しなかった台木を、大事に養生しておいた。
そしたら、ほとんどはその後、芽がでてきたよ。
切り株を日光に露出させておくと、盛夏の時期になって、新芽がようやくでてくる。
秋には30センチほど伸びて、冬越しも無事できそうだ。



 ともあれ、長年の悩みであった発育不良は、今年はだいぶ改善されたが、今度は味の問題だ。
あと3年我慢しても、今のまま同じように継続するわけにはいかないぞ。
またなにか変更しなくては・・・・。

 接ぎ木のカロラインブルーをメインにしようと考えていたが、これでようやく良く育つようになったと思ったら、今度は成った果実の味が悪い、ときたもんだ。
このカロラインブルーはお盆の時期に一応合うとはいえ、味が予想外なことにB級品のまま。
一難さって又一難だ。
だったら、サミットやスパルタンが良いのではないかという模索があるんだが、一からやり直すのがツライんだったら、いっそのこと全てを投げ出してしまおうか?という案もある。
10年かけた努力を、今、放棄するってか!?。

 お盆狙いがどうのというオレの当初計画は、もうあきらめてしまうべきだろうか?。
「夢は願っていればいつかきっとかなう」とは、オレは言わない。
起業は予想もしない困難が次々にあって、「9敗1勝」とかはユニクロの言葉なんだが、もう駄目だと落ちていっても、でも底までは落ちていかずにどっかで引っ掛かって、当初予想していた姿とは違うことになる、と起業家が言ってた。
事業を新しく始める、起業とはこういう失敗の連続であるらしい。

 うーん、どうするか?。
もうオレの頭髪も半分以上白髪になってしまっている。
一度考えたことをまた何度も思い出して、延々と繰り返して、同じことを考え続けてしまう。

一応報告終わり
2015年1月4日 記
作者を誉めるメールを送ってくれえ〜!
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