秋田ブルーベリーシンポジウム つづき
 ウェイマウスの隣は、アーリーブルーだった。
これは同時期に熟すはずだが、未熟果がまだかなりあって、数日は遅れる感じだ。
早生、中生、晩生の順に列ごとに並んでいたが、大部分はまだ未熟で、これから熟すところだった。

写真
2012年6月29日撮影

 列の最後は、意外なことにジャージだった。
同時にペンバートンという品種もまたかなり多数植えられていた。
ペンバートンが多いのは珍しい。
園の指導をした横田先生にイロイロ聞いたら、ジャム用にジャージを植えたつもりが、間違えたのだという。

 ペンバートンって香りがいいという情報を知っていたので、先生にその話を振ると、思い当たらないようだった。
つまり、これはペンバートンだろう、として名札が付けられたが、ひょっとしたらさらに別品種かもしれないようだった。
いずれにしても晩生品種なら、もっと大粒の品種もあるだろうけどなあ。

 さて、いまウェイマウスが熟しているということは、7月に入ればブルーベリー狩りが始まって、収穫最盛期は7月中下旬ごろになる。
7月中下旬か。
まだ梅雨時だ。
東北は梅雨前線が北上して少々遅れるから、あとで調べたら、東北地方の梅雨明けは平年値7月25〜28日だった。

 見学圃場は第一農園だが、となりの一段下がった所には第二農園もあった。
そちらは特に見学コースというわけでもないのだが、ついでだから見てみると、第二農園は年数が浅いので、全体的に木も小さい。
成長もやや弱いようだ。

 段々田んぼの下側に位置するので、やや過湿か?。
でも「関東のハイブッシュ園と比べれば、これは最も良い方だよ」と、ブルーベリー栽培のベテラン(関東居住)が第二農園を観察しながら、オレの隣で言った。
他人事ではないしな。



 次の見学地のためバスに向かうとき、たまたま来年の開催地である長野の伊藤さんがすぐ近くにいた。
胸から名札プレートを下げているからわかった。
以前から読んでいる専門書によると、伊藤さんのところは土質が非常に合ってて、米国の研究者から「このように健全に育ったハイブッシュブルーベリーは見たことがない」という抜群の評価をもらったと記述がある。

 オレの疑問としては、そのような土地なら杉皮マルチはいらないんじゃないか?と思った。
それを言ったところ、でも、伊藤さんによると、マルチは必要だという。
うーん。
来年、長野の現場見れば、わかるかなっと。

 ブルーベリーのシンポジウムや地域の勉強会に出ると情報が得られる、というキャッチフレーズになっているが、期待して行くと予想外に拍子抜けすることもあるんで、ブルーベリーの書籍に載ってる人を名札で見つけたら、こちらから話しかけていくようにしないと、特にオレみたいに一人だけで参加した場合なんかは、会場で心もとなく、所在無げに終わってしまいがちだ。

 さてさて、バスに再び乗り込むと、次の見学場所へと向かった。
移動時間は、けっこうある。
窓から見える景色は、丘陵地帯の田園風景だ。
優良米を生産する地域だというのに、しかし、雑草だらけの休耕田になっている箇所が、かなりある。

 ブルーベリーが新しく植え付けられるのは、そういう空き地が多くなっていることが、背景にあるのだろう。
シンポジウムアンケートでも、ブルーベリーについて趣味の愛好者の参加者も多いが、果実を売って収入にあてたい、という割合の人が一番多めだった。

 中高年齢層(参加者は定年前後が多かった)の収入源として、考慮されているということかな。
そんなことをバスの窓から風景を見ながらオレは思っていると、バスガイドも兼ねた(秋田?)果樹試験場の女性が、今までのブルーベリー試験栽培について、車内で解説をしてくれた。

 秋田の農業はコメが主生産で、半分以上の7割?くらい。
残り3割?を野菜や果物が占めるが、果樹にしてもリンゴが中心で、他ナシブドウ桜桃などが次いであり、そのわずかな残りに、ようやくブルーベリーが入る、という本当に数少ない作物となっている。

 ブルーベリーの栽培試験はしており、早生、中生(なかて)の優れた品種はわかったが(何だったか、オレは忘れた。中生はシエラだったか?)、晩生品種は、ブリジッタでも酸っぱ過ぎて、晩生の優良品種は決まらなかったという。
さっきの園では、晩生品種はジャージだったが、これは大粒ではないしな。

 そのガイドさんが言うには、良い晩生品種があれば、あとでこっそり教えてほしい、という。
というわけで、バスが目的地についたとき、オレはサミットを推薦しといた。
ガイドさんの話の中では、このあたりは積雪が2メートル前後にも積もるのだという。

 それを聞いて、オレなりに考えた。
ブルーベリーは雪囲いといって支柱を立てて、それに縛り付けて積雪期をやりすごす方法をとるが、枝が柔らかい方が、縛り上げるときに枝が折れなくていいかな、と。
というわけで、枝が硬いカロラインよりも柔らかいサミットの方が良いだろうと、オレは判断した。
主な情報元は「ブルーベリー狂想曲」ブログから

 サミットと聞いて果樹試験場の女の人が言うには、「南部ハイブッシュは全然検討してなかった」という。
確かにサミットは南部ハイブッシュに分類されてはいるが、オレも那須高原で試作しているが、凍害には別に遭っていないし、今春みたいな冷え込みが厳しい天候不順でも、実の成りが充分良い。
ハイブッシュの優良晩生品種として、検討に値するんじゃないかなー。

 ここで関連して気になるのは、秋田の観光ブルーベリー園は、品種構成から見ると7月から始まって8月上旬で終わり、となっているようだが、その直後に続くお盆休みの8月中旬はどうするんだろう?。
観光客は、夏休みのお盆のときに一番多く訪れるんじゃないかなあ〜?。

 ラビットアイは寒害で枝先が痛むから、ハイブッシュだけで終わってしまうのは仕方ないとしてもさ。
7月は梅雨のこともあり、8月上中旬をメインに晩生品種を数多く植えるべきなんじゃないのかなーと、那須高原で観光農園作りに四苦八苦中のオレとしては、連想してしまう。
気温や熟期もよく似てるので、そういう事情があったわけだ。

 産地見学会の2番目の園地に着いた。
段々田んぼをブルーベリー園に転換した園だ。
ブルーベリーの木はまだ小さいし、面積も1〜2反だが、 大きな観光施設(ゴルフ場や宿泊施設)がすぐ南側にあって、 広大な芝生が見えた。

 他の場所にもっと広い畑はあるが、ここはお客さんが駐車場から歩いてこれる近さなので、この園地は期待できるということを、メガホンで説明があった。
なるほどナイス!。
休耕田の転作地といえば、一番気になることとして、田んぼの転作地は、ブルーベリーには育ちが悪いことが多い。

 過湿が原因だ。
ブルーベリーは水分を好む果樹だが、そのわりには、湿地では育ちが悪いことが多い。
でもシンポジウムの紙面の解説でも、ここの園地の育ちは悪くないとあるし、実際に見た感じでも、育ちは悪くはない。
よく観察すると、ちょうどここでもウェイマウスが熟していて、サイズは中粒。

 普通に良い、といったところだ。
前回の園のものはすごく大粒だったが、それよりはだいぶ小さいが、ウェイマウスは本来このくらいの大きさだ。
現場の土地を広く眺めると、ここは元休耕田といっても、谷間の段々田んぼではなく、扇状地の段々田んぼのようだ。
だから、水通しが良いのだろう、と推測をたてた。

 この果樹園日記を書くためにグーグルの地図(航空写真)で確認したら、もろに扇状地だった。
その地図  奥羽山荘のすぐ北側(上)にブルーベリー園がある
だから停滞水による根腐れの発育不良というものが発生しにくいのかも。
なるほど、大丈夫だろう。

 園をひととおり見たあと、オレは立ちションしようとして、隣接の林に入ったら、民家のおばさんと会ってしまい、同時にシンポジウムの添乗員も居たので、立ち話になった。
その民家の植木は、小木もあるのに、雪で折れている様子は無かった。
雪で折れるというのは、積雪時ではなくて、溶けるときに積もった雪が沈下しながら、折れるのだという。

 そうなのか。
民家の庭木は、柿や梅が無く(グミはあった)、ここらでは庭に果樹を植える習慣がないという。
おばさんが言うには、実家では柿とかあるのに、ということだった。
でも植えてみたい気持ちがあるのはわかった。
そういう話をオレはおばさんから聞いたが、同時に、オリジナルの秋田弁を聞く機会に恵まれたのであった。

 次の産地見学園に、再びバスで向かう。
ここらでは、積雪の多さが、どうやら大きな問題点のようだった。
雪害について、バス内であらかじめ説明があった。

 これから向かう園は、あいにく今年は雪で苗木が折れる被害が多くて、かなりの本数を植え直したという。
オレは育った地域の事情で、雪国の様子というか、雪の被害というものがよくわからないので、被害の程度がどのくらいあったのか、見てみたいと思った。
いざ、バスは園に着く。

写真
眺めの良いところだ 2012年6月29日撮影

 南向きの斜面にあり、かなりの高地にあることを連想させた。
でも、高度は200メートルほどだという。
予想外なことに山奥というわけでもない。

 地面は傾斜地だが、きついわけではなく、夏の観光シーズンにここに遊びに来ると良いと感じた。
園内は、木材チップがぎっしりと敷き詰めてあった。
苗木の育ちは正常に良く、雪で折れた大損害の形跡は、よくわからなかった。
初夏は葉っぱが生い茂った時期ゆえ、幹の折れは見えづらいのかもしれない。

 植え替えたためもあろうが、オレとしては折れたあとの根元から再生してくる芽について、観察したかったがな。
まだ小さい木が多く、成長や収穫はこれからという若い園だった。
ラベルを見ると、品種構成は一般的な北部ハイブッシュだった。

写真
苗木のうち発育の良いものは、すでに50センチ以上に育っている

 デキシーとかコビルがあったが、お盆の時期に収穫できるのかな?と思ってたずねると、8月上旬くらいまでだという。
夏休みのお盆休みの時期に、ブルーベリー摘みに来ても、果実が残っていなかったら残念だ。
残ってはいると思うけど、8/15にキレイさっぱり最後まで摘み取ることで、最終日となるのかなあ。

 園の道路沿いは、みずほの里ロードという立派な道路ができたばかりのようで、良い観光ルートにもなりそう。
サクランボのパイプハウスも近所にあるのが見えた。
ブルーベリーとサクランボという組み合わせもいいな。

 ブルーベリーの収穫期は、梅雨時を避けるということにオレは気をとらわれているが、サクランボの雨除け栽培が、隣の山形県では大々的に行われているのだから、案外、ブルーベリーも同様に対応できるかも知れないな。

 産地見学会は以上で、終了!。
行きも帰りは、白くまだらに雪をかぶった三角錐の山「鳥海山」が見えた。
かっこいい山だ。

 そのあとは、シンポジムの閉会式があり、メル友?の知人と携帯電話で待ち合わせして、田沢湖畔で昼食、たつこ像の見物をして、さらに茨城への帰路は、綿秋湖サービスエリアで温泉に入り(高速道路から利用できる温泉なのだ)一泊したのち、宮城で見学をしてイチジクの苗を頂いて、さらに栃木の那須にも寄って自分の畑の手入れをしてから、ようやく水戸へと帰ったのであった。

 自宅に帰ったら、すぐ洗濯!。
旅行中にためこんだ洗濯物が、水分でカビてしまうよ!。

終わり

ブルーベリーシンポジウム秋田の記事のリンク
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・チャチャおじのベリー栽培  その1  その2  その3
・秋田県 就農・起業支援班  記事
・河口湖・船津登山道  森のブルーベリー園  記事
・福島県夢のブルーベリー農園  記事
・ようこそ。 えんどう農園へ  記事
・ホリちゃんのブルーベリー日記  記事
2012年7月11日 記
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