サッカーを利用したスパルタン接ぎ木
 スパータンの収穫が終われば、初夏も終わって、いよいよ盛夏となる。
この時期は、スパータンの出番は、特に無い、といえば無いのだが、ひこばえというか、サッカーというか、地中から新芽が盛んに生えてくる。
これを活用しようとオレは模索しているので、紹介しよう。

 ブルーベリーでは専用用語として、地中から出てきた芽をサッカーというのだが、スパータンといっても、接ぎ木だから、生えてくるのは台木の芽のわけよ!。
だからフツーは、サッカーは切られちまう。
切っても切っても生えてくるから、サッカーの発生を防ぐために、残さず根元から引き抜くだの、サッカーが生じにくい品種を使うとか、接ぎ木部分は地中に埋めるとか、いろいろな手法があるわけ。

写真
下から伸びている緑色の葉っぱがついた枝は、ホームベル台木のサッカー
2009年9月27日撮影

 オレもそうしていた。
だがな、生えてくるサッカーは、惚れ惚れするほど元気よく長大な苗なんだ。
接ぎ木の台木用に育てているポット苗よりも、はるかに良好そうなんだ。
この元気良さはスゲーぞ!。
スパータン接ぎ木苗の幼苗時の発育の悪さに、オレは困り果てていたから、これに接ぎ木しようと思い付いた。



 単なる思いつきでなく、オレも今まで年数がかかっているから、今までの失敗の多さでは負けねえぜ!。
まず、情報その一。
サッカーは切り取って、鉢に入れても、よく成長しない。
サッカーって、地中に五十センチくらいも長々と、硬い茎がある。
おまけに、ろくに根っこがついていねえ!。

 だから、鉢に入れるには硬い茎が長過ぎて、ポット鉢に入らねえ。
短く切り詰めると、少ない根っこがさらに少なくなる。
おまけに、鉢に植え替えると、それまで恐ろしく元気よく伸びていたのに、みすぼらしいほどに発育不良になってしまうんだ。
母樹からの栄養補給を絶たれたからだろう。
これじゃ接ぎ木なんか、とてもできん。

 だからさ、オレはサッカーが生えたままの位置で、そこに接ぎ木しようと考えているわけよ。
そもそもスパータンは、直立性が強くって、上へ上へと伸びたがる性質が強いわりには、根元からのシュートは少ないし、自根樹でもサッカーの発生が少なくて、根元が禿げ上がる傾向がある。
そのため木の下でもわりと日当たりが良いので、サッカーに接ぎ木しといて、そのまま一年以上養生しておけば、そこそこ立派な「接ぎ木苗」になるんじゃないかなあ。

 草刈りの邪魔になるけどよ。
なお、スパータンの接ぎ木苗の他にも、ラビットアイの成木にもサッカーは多発するので、オレは接いでみたが、ラビットアイ樹は繁り過ぎて、木の下は日照不足で育ちが悪かったな。



 情報その二。
カミキリ虫だか、コウモリガだかスカシバだか、接ぎ木苗の根元の幹に、害虫が侵入する被害が多すぎる。
接ぎ木苗は、幹が一本しかないのに、その幹の中を食べられてしまうと、その木には致命的な重傷になってしまう。

 スパータン接ぎ木苗は、ホームベル台が多いと思うが、接ぎ木箇所はできるだけ下になるようにしてあるはずだが、台木のホームベルからはさかんにシュートも発生してくる。
この台木のシュートに接げば、枝の更新もできる。
カミキリ虫だかコウモリガだかの被害にあっても、これで多分、カバーできるだろう。

 情報その三。
接ぎ木苗は、台風でぼっきり折れやすい。
いや、むしろ、九月の台風よりも、五月のメイストームの被害がひでーな。
五月の突風(メイストーム)は、今までのオレの経験上では、毎年五月に一回くらいある。

 風が強い日が五月に一回ある、ということだけで、会社生活ではなんとも思わないだろうが、ブルーベリーの接ぎ木苗は、接ぎ木したところから、ものの見事にボッキリ折れちまう!。
元気良く伸びていた苗ほど、新芽が折れてしまいやすい。
被害甚大だ。

 よって、保険苗の意味も含めて、接ぎ木苗の台木から生えてくるサッカーや、シュートには、みんな接いでしまえばいい、とオレは考えているわけよ。
数でカバーする作戦だ。

 あと、ブルーベリーの母樹も、傾きやすい。
地面が、マルチとかで、堆肥化していて、地面が柔らかいためだろうな。
木が重みで、でも地面は柔らかいから、秋の台風のときなんか、強風で木がユッサユッサと揺さぶられるものだから、木そのものが傾いてしまいやすいんだ。
でも、サッカーが多発していると、地中は、タコの足状態になるのか、傾きにくいみたいだね。

 以上、このようなところかな。
なにしろ、スパータン接ぎ木苗は高価すぎるし、おまけに、植えてからもなかなか育ちがのろい。
そこで、ラビットアイのサッカーを利用すれば、簡単に接ぎ木苗ができるんじゃないかな、とオレは模索しているところだ。

接ぎ木ウンチク
 接ぎ木するなら、三月中の時期だな。
穂木は、接ぎ木樹の上部から穂木をとって、そのまま下部のサッカーに接ぎ木すりゃあいい。
本には、穂木は冷蔵庫内にビニル袋に入れて保管と書いてあったので、オレはそうしたら、あとでシワシワに乾いて全部使えなくなったことがある。
ビニル袋内の空間が多すぎたわけだが、オレは懲りたね。

 接ぎ木は、秋の芽接ぎよりも、春の切り接ぎの方が、簡単だ。
というか、接ぎ木ナイフって、自分の指をばっさり切ってしまいやすくて、これがいてえ!。
枝を握って、接ぎ木ナイフでさっと切る、そのときついでに左手もさっと切り裂く、なんてことが、マジでよくある。
とくに、左手の水かき(というのか?、指と指の根元のつながりの皮)を切ると、なかなか治りにくい。
水で洗いモノすると、キズ口が開いて、手を使うたびに、痛い、痛い、痛い!。

写真
左側のナイフが、接ぎ木ナイフ
以前に接ぎ木挿しをやったときの写真

 ブルーベリーの枝は硬いこともあって、ナイフで鉛筆削るよりも、難しい。
接ぎ木ナイフの切れ味って、スゲエんだぜ。
カッター以上の鋭さがあって、鋭利に切れる、というか、カッターでやると穂木は綺麗に切れない。
接ぎ木ナイフって、これほど超・切れるわりには、カッターのような安全用の覆いが無くて、安全性は不充分ときたもんだ!。

 ケガをしないようにするには、どうすればいいか?。
実際にケガをして、痛い思いをすればケガをしなくなる、という恐ろしい教え方になっているほどだ。
オレも、ケガして覚えたけど、本当に痛かったなー。

 でも、春にやる「切り接ぎ」は、切り方が、斜め下か、下に向けて動かすだけなので、秋の芽接ぎに比べると、ずう〜っと安全だ。
しかも成功率も、伸びも良い。
というわけで、春がいいね(三月が良く、四月は不調)。
切り接ぎの穂木がもったいないからと、春に芽接ぎをしたこともあるが、全然伸びずに全滅だったな。

 というわけで、ブルーベリー接ぎ木樹から生えてくるサッカーは放置しておいて、三月にその接ぎ木樹から穂木をとって切り接ぎ、というのが、オレの作戦だ。
今、オレとしても最新の模索中なので、成果はまだだけど。
2009年10月11日 記
2013年02月08日 再編集

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