マミーベリー乱入して大暴れ
 オニールの果実をせっせ、せっせと摘んでいたころ、異変に気付いた。
たまに、というか、時々なんだが、グニャッとした指触りで、茶色に腐っているものがあるじゃないか!。
これはマミーベリーっぽいな。

 ブルーベリーの専門書に病害として載っていたので、オレは知っていた。
細菌によって果実が腐敗する病気だ。
今までは、オレには関係ねえ、と思っていたから他人事だった。
それがオレの畑で発生しているわけよ。
なんてこったい!。

 昨年はオニールの結実が少なかったから、そのぶんだけ大粒に成長するだろうと思っていた。
そしたら、この病気マミーベリーが広がって、去年のオニールはほとんど全滅だった。
この病気が、今年も発生しているわけよ。
確か二年前に初めて病気が出ていたから、三年連続で発生ということになる。
しかも今年は、オニール以外にも蔓延して一番被害がひどい。

 症状を改めて言うと、オニールを摘んでいるだろ。
オニールはやや固く締まっている果実というのがオレの実感だが、そのなかに、果実がふにゃっと柔らかいものがあるわけよ。
指先の果実を見ると、その柔らかい果実は、茶色に腐敗してる。

■あとで写真を入れる■

 全部の果実が被害に遭うわけじゃなくて、今年の被害果実は多めと思いつつも、オニールでの被害はせいぜい一〜二割ぐらいか。
病気以外の果実は大部分は正常だが、直売所出荷用に数十粒をパックに詰めると、被害果が数粒は入ってしまいそうだ。
さらに収穫直後は病状が小さくても、店頭にしばらく置いておくうちに腐敗が広がる可能性もあるわけよ。

 こりゃ、やべーな、無理かもよ。
対策はいくつか…。
公式な対処は、焼却するか地中深く埋めるか、って、なんだか絶望的な対処だな。

 とりあえずこの病気を観察すると、ブルーヘブンは特に症状が酷くて房ごと被害にあっていたが、オニールは散在的に被害果がポツンポツンとあった。
被害果に隣接している果実は大丈夫か?というと、これが予想外に正常なものが多く、菌は被害果から隣へ順次伝染していくのでない、ことを示しているようだ。
一応全てに既に菌は果実や樹に保有されていて、発症するものがある、ということなんじゃねえかと思った。

 観察の中で、特筆すべきこととして、スパータンには発病しない。
十キロぐらい収穫したが、腐敗果はせいぜい十粒ほどだけ。
この病気には、抵抗性の品種のようだ。
アリンコが果実に穴あけしている被害の方がよっぽどひどい。

 次いで発病しない品種として、ウェイマウス。
これも発病しない。
またしても底力を発揮した。

 一方、特に被害が酷いのがブルーヘブンで、房ごとやられた。
未熟な果実のうちから病気でしぼんでしまう。
エリオットやブルークロップも被害がわりと大きい方。
オニールは品種の被害でいえば、中程度の被害じゃねえかと思う。

 どうやらマミーベリーは、ブルーベリーの品種間によって抵抗性に差があることに気付いた。
そこで、ネット上で調べてみた。
ブルーベリールームというホームページに載っていた。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~harikyu/maniax-blueberrys19.htm

 灰星病と同属の糸状菌により、果実や新梢に発生するとのことで、モリニア病というかモニリア病とも言うらしい。
果実の罹る病気としては最もポピュラーな病気のひとつで、降雨が多かったり、空中湿度が高いと発生しやすくとのことだ。

 発生しやすい品種にバークレー、ブルーヘブン、ブルーゴールド、ブルーレイ、ブルータ、コリンズ、アーリーブルー、ノースランド、ランコーカス、ルーベル、シエラ、ウェイマウス等。
抵抗性を持つ品種としてはブルークロップ、ブルージェイ、バーリントン、コビル、ダロー、デューク、エリオット、ジャージー、レイトブルー、ノースブルー、ノーススカイ、スパルタン等。
という内容であった。



 ふむふむ。
たしかウチでも梅雨本番になって暑くなってきたころに、病気の発生が多くなってきたっけ。
でも、抵抗性を持つ品種とされるデュークが、オレの畑では発病していたのには困った。
ブルージェイもかかった。
ブルークロップも、ややひどい方。

 アーリーブルーもかかってしまい、スパータンとウェイマウスがかからないことを思えば、育種の遺伝的にウェイマウスとスパータンの中間的な位置のアーリーブルーに発病するというのは変だ。
ウェイマウスの子品種はアーリーブルーであり、アーリーブルーの子品種はスパータンなんでね。
うちのはひょっとして品種間違いで、アーリーブルーじゃなくてスタンレイかもしれないので、いったん保留だ。

 それにしても、アメリカ本土における菌と、日本国内で発病している菌は、多少違うんじゃねえかな〜。
だから品種による抵抗性が一致しないんじゃないかな。
気温や湿度の違いもあるしな。

 オレが試験栽培しているハイブッシュを見ると、マミーベリーにかかる品種はずいぶん多くて、ハイブッシュ全品種のうち過半数くらいか。
かからない品種の方が少ないので、そっちを見つけ出した方が手っ取り早そう。
サンシャインブルーは発病しないようだ。
この品種の熟期が遅すぎて、梅雨明けしてから熟したせいかもしれないが。
ミスティーも発病しないようだ。
が、今年は味が抜けて、だいぶ変な味になってしまった。

 じゃあ、どうするか?。
オニールは罹病性の品種なんじゃねえかと思うので、三年連続の発生から言ってオレには根本的に解決はどうやら無理、と判断して、今後オニールの大幅な増殖はオレのところでは中止だ。
ウェイマウスとオニールの対決は、オレの畑では、予想外なことにウェイマウスが底力を発揮して勝利!、オニールが敗北となってしまった。
地域的な土質や気候のせいなのか、オレの畑ではウェイマウスの方が何かと成績が良く、一方、オニールの熟期はずいぶん遅いし病虫害の被害も多い。

 それでも現状維持的に少しはオニールの新たな植え付けはするが、自根でも育つとはいえ、成長がやや弱い感じもするので、接ぎ木苗にするつもりだ。
樹勢というか、樹に体力がつけば、病気にもかかりにくくなるだろうから。
ついでにいえば、オニールは枝の発生が、四方八方に傾きすぎるというか、樹の形が綺麗にまとまらない傾向が強くて、剪定が面倒なので、接ぎ木することで枝の発生を強くして、なるべくまっすぐ伸びるようにしたい。

 オニールもウェイマウスも(スパルタンも)、フェスティバルを台木とした接ぎ木苗でやっていきたい、というのが手の内の情報だな。
台木としてのホームベルは、地面からサッカーの発生が細いものが数多く出やすいのが難点でさ。
フェスティバルだと、これらを集約して、サッカーの本数は少ないながらも太いものが立つ、という感じなんでね。

 台木は、他にもノビリスだのブルーシャワーだのがサッカーも少なくて良いらしいが、オレの観察では、ブルーベリー園でタテヨコ三メートルに突出して茂った大木の株列があったら、それは大抵フェスティバルで(他の品種は二メートル位)、ピートモスを使わなくても一応育つことから、フェスティバルがいいとオレは判断している。

 えーと、まとめてみよう。
今年のオレんとこのハイブッシュブルーベリーでは(ラビットアイブルーベリーでは知らない、というか発生しない?)、マミーベリーという病気が多発した。
スパルタン、ウェイマウスに被害はなく、オニール、デュークに被害がでた。
メインとしては抵抗性品種を植えることで対抗しようと思うが(スパルタン、ウェイマウス)、サブとして罹病性品種については(オニール)、新たに植える苗は接ぎ木苗を使うことで、樹に体力をつけて被害を少なくしようという作戦だ。

 といったところかな。
あ、追記だ。
マミーベリーは高温、多湿で発生しやすい病気であるなら、ブルーベリーは早生品種を植えた方が病気を少なくできるんじゃねえかとも思うし。
言い換えるなら、ブルーベリー収穫のうち後期におけるショウジョウバエの発生、そしてマミーベリーの発生はどちらも難敵であり、対応が困難というか防ぎきれないので、早生品種を選択することで対応し、その中でさらに抵抗性品種を選ぶことで対応しようというのがオレの作戦だ。

 農薬散布とか、防虫ネットといった技術的な手法で対応しようというわけではないから、まあ、園芸カタログを眺めてあーでもない、こーでもないと、品種選びだけで対応しようというワケだから、ラクチンといえばそのとおりだけどな。
2011月7月23日 記
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