ブルーベリー早生品種バトルロイヤル
(アップロードしたときには、すでにブルーベリーはほぼ終わり。さぼりすぎ!)
  ↓
 今年もブルーベリーが成り出した。
今年二〇一一年といえば、大地震による騒動が続いているけれど、それは頭の隅に追いやっておこう。
今の時期とれるブルーベリーのうち、何の品種が良いか?という、ウチの農園においての、ちっちゃなバトルの話題だ!。

 そもそも、オレのとこではスパルタンを多く植えようと思っているけど、受粉させるためにはスパルタンの隣に別品種を植えなくちゃならないわけよ。
ウェイマウスとオニールはもう植えたし、次は何を植えようか?。


植え方の模式図
       ________
スパルタン |●●●●●●●|
ウェイマウス|◎◎◎◎◎◎◎|
スパルタン |●●●●●●●|
オニール  |○○○○○○○|
スパルタン |●●●●●●●|
????? |△△△△△△△|←アーリーブルーか、ウェイマウスか、その他品種にするか考慮中。
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 アーリーブルーがいいかなあ?。
それとも今までと同じのウェイマウスやオニールをさらに増やしていくか?。
模式図でいえば、?????の列は、アーリーブルーを考慮しているところだが、ウェイマウスでもいいわけだ。

 うーん、何の品種を植えようか?。
といっても、今は収穫期だから、実際に収穫してから考え直すのもいいな。
まずは先陣切って、ウェイマウスから収穫が始まった。

 さて、ウェイマウスという品種、これは、インターネット上で評判を見ると、かなりの悪評でなー。
だから今ではもう、根元から切られてしまったか、または抜かれるかして、植えられていない園が多い。
あちゃー。
ひとことでまとめると、味が悪いつーことだ。

 そうかね?。
ウチではちゃんと甘酸調和して、良い出来映えだ。
俺は、割とかなりの、お気に入りだ。

 ブルーベリー大図鑑という本によると、寒冷地ではプラスの評価が多い、という説明なので、ウェイマウスは暖地では高い気温のために、うまく成熟できないのかもしれん。
オレの所は北関東で気温が低めだから、うまくいっているのだろうな、多分だけど。
とはいえ、ここでムリヤリパロディするならば、南部ハイブッシュの新品種発表の大海嘯によって、ウェイマウスはわずかに生き延びて北方の辺境に住みつづけた、といったところか。
温暖化の大波によって、南の地のウェイマウスが呑まれて没したとしても、オレの所だけは生き残れる…、というわけにもいかないが。
(元ネタは、風の谷のナウシカ)

 ということで、ウェイマウスに代わって新たな品種導入の試行もやっているが、それはこのあとで記そう。
さて、オレんとこのウェイマウスは比較的には手入れもしている方だが、毎年めんどくせえことは、剪定が大変なことだ。
ぎっしりと細かい枝が分岐する。

 そこで、結果枝一本につき花芽一つ、という剪定をやっている。
とはいえ、枝の数が膨大なだけに、これがあまりにもかったるい。
剪定は長い冬にやるので、時間はあるけど〜、寒いし、毎年すぐには終わらないのだが、オレはなんとか春までにやっておいた。
今年もな。
経験的にいって、やらないでおくと、果実がぎっしりと成りすぎて、果実サイズが小粒になってしまうのでね。

 さてさて、いざ、果実の成熟が始まった。
ウェイマウスの実力はいかに?。
今年のウェイマウスは六月十五日ぐらいからかな、熟したのは。
例年よりも遅めだ。

 春先の気温は例年どうりだと思っていたが、後になって思えば、四月ごろの気温が低かったらしい。
ウェイマウスは自根苗も接ぎ木苗のものも、熟し始めのスタートは同じぐらいだった。
接ぎ木の有無をなぜ述べたかと言うと、スパルタンだと自根苗は熟すのが早くて、接ぎ木苗は熟すのが遅い、という違いがあるから。

 ウェイマウスはなぜか、接ぎ木の有無は、早晩にはほとんど関係しないみたいだ。
で、肝心の粒サイズは、中の大といったところか。
味はちゃんと正しく美味しい。
いったい何が問題なんだ?と不思議に思うほどだ。

 でも、畑じゃなくて、オレの自宅の庭にあったウェイマウスの一本だけは例外で、これは狭い場所に植えたので、剪定しないままだった。
そしたらこれに、ぎっしりと小粒ばかりが成った。
たくさん成り過ぎて、熟期も遅れた。
そして、この味がな…、ずいぶんと劣る味だった。

 オレは、ブルーベリーの同一品種では、大粒だろうと小粒だろうと、同じ品種なら同じ味だろうと思っていた。
大粒の方が人気はあるが、それは単に、人間の心理のせいだと思っていたんだ。
ところが実際には、ブルーベリーの同一品種の中でいえば、大粒の方が充実していて美味しい。
果物界では、大き過ぎると大味のものもあるが、大きい果実の方がうまいものがあって、柿がそうだ。

 ウェイマウスは、大粒になるよう摘蕾(てきらい 蕾を取ること)するべき、というのが、味の悪さを良くする一番のポイント、とでもいおうか。



 一方、ウェイマウスのライバルたるべき別品種群は、意外なことに不振であった。
アーリーブルーだが、これの試作苗がようやく大きめに育って、今年まとまって収穫となった。
カタログでは、この品種たるや見事な評価で、アーリーブルーによって、ウェイマウスを完全にリプレイス(置き換え、植え替え)したとしてもおかしくはない。

 でも、長い年月がたつのに、ブルーベリー業界では、そうなっていないところを見ると、何か問題があったんだろう。
アーリーブルーを自根で植えると、スパルタンと同じく発育不良を起こしがちだから、そのためだろうとオレは推測していた。
そこで、その対策上、オレは接ぎ木苗を買って育てておいた。
これでもう、発育は順調なわけよ。
そのアーリーブルーの果実の出来映えはいかに?。

 なんだか、熟し始めるのがずいぶん遅い。
ウェイマウスよりも一週間から十日も遅い。
しかも、思ったよりも小粒が多い。
まるでスパルタンの果実が成長途中でまだ大きくなっていない段階のうちに、青く着色して熟したかのようだ。
味は、良い方だ。
硬さもちょうどいい。
が、なにしろ、熟す時期が遅すぎてスパルタンの成熟期と重なるうえに、果実サイズが小から中といったところで、つまり不利だ。

 アーリーブルーは品種間違いが多いから、特徴を挙げておくと、葉が広卵形で、基部が広く、葉の先が細い。
また、果実の花の跡が大きいものがある。
鬼太郎のオヤジみたいに黒目というか瞳の部分が異様にでかい果実ができることがあるのも特徴だ。
また、よく似た品種のスタンレイというのは果柄跡の状態がだいぶ悪いらしいので、アーリーブルーとの区別になる。

 つまり、まとめると、オレが試作して初の本格収穫となったアーリーブルーは、カタログ倒れのような出来であった。
無念だ。
で、最後のころの果実を収穫しようとしたら、果柄跡のまわりの果肉ごとごっそり抜けて果実が採れた、という事態が連発して、なんじゃこりゃ!。
熟期が遅いこともあり、ひょっとして苗が品種間違いで、スタンレイか?。
スタンレイはアーリーブルーのような極早生ではなく単なる早生だし、いったん保留だっ保留!。



 で、他にも早生品種としては、デュークとオニールがある。
まずデュークから述べていこう。
オレがついつい連想するのは、デューク東郷だ。
ゴルゴ13の名前だけどな。
デュークって、公爵の意味らしい。

 さてさて、ブルーベリーのデュークは、これは米国においてはブルークロップとともに大変有力な品種で、日本の園芸カタログにおいても、デュークの品種紹介は見事な高評価だ。
でもこれまたカタログ倒れというべきか…。
味のボケっぷりがあまりにひどいぞ、デュークは。

 ブルーベリー大図鑑では、「つまらない味になってしまうことがある」と記載があり、当初、オレはその意味がよくわからなかったが、天候不順だと味がのらない、という意味だろう。
が、他の品種は曇天でそれほど味が悪化したわけでもないのに、デュークは、ボケたリンゴよりもひどいというか、なんだか露骨に味の劣化がする。
天候さえ良ければねえ〜。

 果実は、ロウ細工みたいに見事な硬質で(これはブルーベリー界では誉め言葉になる)、でも、かむと中身はジューシーで柔らかい。
表面だけ固いわけで、これは流通用の果実としては優れた性質だが、肝心の味が薄いのは問題だ。
なにしろ日本では梅雨の時期ゆえに、天候が良くなることはあまり期待できず、品種としてはなんだか重症に思えるぞ、オレは。
味が薄くなってしまった品種は、オニールもそうだが、こういうのは意外なことに、冷蔵して冷やした方が、いくらか美味しくなるようだ。

 ここで重要なこととして、ウェイマウスやスパルタンは冷やすと少々軟化して酸っぱめになるという傾向があり(今年はそうでもない)、輸送や箱詰めに気を使うが、一方対照的なことに、オニールやデュークは果実が硬めなのと冷やした方が美味しいなら輸送にも向いているわけで、それぞれ別の系統として補完しあう存在といえそうだ。

 あと、マミーベリーという腐敗する病気にも、デュークはちょっとかかった。
アーリーブルーも少しかかったが、この病気については次のオニールのときに詳しく述べてみよう。



 オニールは、今年はよく成った。
春先が低気温なら、結実がうまくいかないはずだが、それでも良く成った。
オニールも剪定を済ませておいたが、この品種は結果枝一本につき花芽一つにまで剪定で減らすと、スパルタンと同じく結実不良をおこしやすい。
開花が一番早いためだろう。
だから、花芽二〜三個に留めておいた。

 だが、今年はそれでも成り過ぎたようだ。
そのため中粒どまりの上、よく熟さなくて、味がずいぶんと冴えない。
なんだか変な味すらする。
仕方なく、完熟まで日数をかけることにして、後回しになった。
よって、熟す時期がウェイマウスと同じどころか、大幅に遅れたうえに、大部分は中粒サイズで、なんとか完熟したのは七月に入ってからだった。

 あーあ、スパルタンの熟す時期とダブってしまったよ。
オニールの粒サイズは、カタログ値では大粒となっているが、毎年の観察からいえば、中の大といったところ。
さほど大きくない果実が多い。
カタログの大粒だという表記は、これまた誇大広告なんじゃね?。

 それでもオニールを収穫していると大粒サイズも時々見つかるが、これを食べてみると、明らかに大粒サイズの方が味がいい!。
中粒よりも大粒の方がウマい。
ということは来年からはもう、果実の数が減ってもいいから、結果枝一本につき花芽一つに減らして大粒にしたい、と切実に思ったよ。

 あと、オニールに関しては、切実な問題が今年も発生していた。
マミーベリーというか、果実がぐにょぐにょに腐敗する問題だ。

つづく
2011月8月20日 記
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