ブルーベリー接ぎ木挿し改良案
 トの字型の寄せ接ぎ挿しというものを考案して、いざ量産とやってみたが、結合部にテープが巻きにくいし、ぐらつきやすい、という欠点がどうもみえてきた。
うむうー。
使う穂木も長めに必要になったりして、材料不足になってしまい、そこそこの数を作ったところで完了。

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 そんなある日のこと。
T&F日記を見てたら、二〇〇六年二月八日(水)の日記に「挿し床に接ぎ木部が隠れるまでピートモスを追加してみた。接ぎ木部はビニールテープで覆われているのであまり意味があるとも思えないが」とある。
これにヒントを得てみた。

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 出刃包丁で、まな板の上で、できるだけ枝をナナメに切る。
なんで出刃包丁かというと、カッターなどで枝を手に持って斜めに切ると、切断面がどうも平らになりにくいんでな。
だったら、まな板の上に枝を置いて、出刃包丁で、上から枝をグッと切れば、切断面はあっさりと平らに切れるというわけ。

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 左はラビットアイの台木で、右側はハイブッシュの穂木。
なお、枝を不用意に置くと、どっちがどっちだかわからなくなって困った。
ともあれ、これらを指でつまんで、切断面同士で重ねあわせる。

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なお、ハイブッシュ穂木の下の先端部は台木からずらして、先端部から水を吸い上げることができるようにして合わせておく。
テープでぐるぐる巻く。
ねじれてしまってもかまわない。
どのみち、ピートモスに埋め込むから、密閉しなくてもいい。

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というわけでというか、接ぎ木テープを使い切ってしまったので、梱包用のただのビニル紐を使ってみたんだけど。
なお、ハイブッシュの穂木の最下端は、必ずテープ部からはみ出すようにするのが、アイデアの核心部分。

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短く切り詰めて完成。
台木の方の下端は、斜めにカットして地面に刺しやすくするが、そのとき下先端に芽があるようにカットすると根が出やすい。

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ピートモス、鹿沼土を半々に混ぜた用土に、接ぎ木部が隠れるまで挿す(写真では隠れてないが)。
接ぎ木は、発芽前の三月が活着率が良いらしく、四月五月となるにつれ活着率が下がるらしい。

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これにて完成。
発根まで六十日はかかるようなので、七月ごろまで水切れに注意しなきゃならない。
ハイブッシュ穂木の下端は、接ぎ木部のテープで覆われているわけでなく、下端は挿し床の用土中に触れているわけだから、ふつうの挿し木と同様で、水切れで枯れることは少ないと思われる(たぶん)。

 接ぎ挿しは、ふつうの接ぎ木のように根がついた台木に接ぐわけじゃないから、作業がべらぼうに早い。
接いだ枝を挿す方法は、リンゴ台木の一部やバラなどで実用化されてはいるが、ブルーベリーでは、まだ活着率がずいぶんと悪いしな。
というわけで、オレが考えた上記の接ぎ木挿し改良案は、もし、この活着率が良好であれば(まだ判明しとらん)、ハイブッシュの簡単栽培化に大効果あり!と自負しているところだ。

※追記 上記の合わせ接ぎだが、後日、改良した接ぎ木挿しのやり方に作り変えるために、接ぎ木テープをバラしたら断面が茶色に変色していたので、あまりよくなかったよーだ。
2006.3.27 記
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