借りた土地は休耕田だけど、行け行けゴーゴー!
※「蒔かぬタネは生えぬ」をもじってみた。

 ブルーベリーは酸性の土であるピートモスがないと育たない、というのが一般園芸書では言う。
でも、専門書によると、ラビットアイブルーベリーは関東の黒土でも育ったという。
ほんとか?。
いちいちピートモスを買わなくても済むなら、オレはぁ、ラビットアイブルーベリーを植えたいっ!。

 そこで、園芸会社の通信販売を利用して、ラビットアイブルーベリーのティフブルー、ウッダードという品種を買った。
よーし、ゲットした。
あとで苗木を追加購入したら、今度は品種違いでホームベルが届いた。
品種間違いに気付いたのは、もちろん、ずっと後年になって実が成ってからであるが。

 ともあれ、この三品種を、黒土の地面に植えた。
これで大丈夫だ、はやく収穫したいよー。
で、どうなったか?。

 確かに育つのは本当だ。
雑草に埋もれないようにする必要があるが、日によく当たるようにしておけば、一応育って、ちゃんと実が成ったんだ。
高さ一メートル以上に育ったよ。
ブルーベリーの最初の挑戦は、成功だった。

ハイブッシュブルーベリーの栽培に挑戦
 つづいて次の挑戦だ。
今度は、ブルーベリーでもさらに美味とされるハイブッシュブルーベリーの栽培に挑戦だ。
これはブルーベリーのなかでも土壌の要求度が高くて、強酸性の土であることと、ピートモスという用土が必要だという。
で、黒土に植えたままでは発育不良になって、樹冠が年々縮んでいってしまう、ということが、専門書を読んでわかっていた。

 だから、オレは高いカネを出して、ピートモスの大袋を購入してみた。
ピートモスの大袋というのは、これが、でかいのなんのって。
アパート住まいの人が、通信販売で買おうものなら、玄関に届いたときは、大きさにぶったまげると思う。
なんじゃこのバカでかさは!って感じ。

 このピートモスをほぐして、水と混ぜて、植木鉢に詰めて、ハイブッシュブルーベリーの苗木を植えた。
ピートモスに植えたんだから、これで大丈夫だ。

 と思っていたらな、それが育たないんだ!。
いつか育ち出すと思って我慢していた。
夏にブルーベリーの果実が収穫できる様を夢見てた。
だが!だ。
ブルーベリーがほとんど育たたずに秋を迎えたことで、夢から覚めた。

 春が過ぎ、夏になっても、ろくに育たないんだ。
さらに、夏が過ぎ、秋になっても、育たないんだ。
なんでえ?。
わからぬまま、一年は過ぎてしまった。

 植木鉢という限られた空間だから、発育が悪いんだ、と思った。
露地に植えれば、発育が良くなるはずだ。
そう思ったオレは、大きな苗木を三本買い直して、黒土の露地に植えた。

 土の表面には、大きな一袋二千円もするピートモスを全部ぶちまけて、根元のまわりに敷き詰めた。
これでよし、と。
よーし、育ってくれや!

 また待つ。
春が過ぎ、夏が過ぎ、秋になり…、もうこれまた伸びないのだ。
どうしてえ〜?。

 わからぬまま、またまた一年は過ぎてしまった。
ずっとずっと後になってわかったことだが、今ここで答えを言ってしまえば、肥料を与えればいい、ということだった。
化学肥料など、なにか、混ぜるわけだ。
この、ピートモス百%だけではよく育たない、ということ「だけ」を知るのに、数年かかってしまったよ。

挿し木で作ったチビ苗を、大きく育てたい
 またまた、さらに、月日は経つ。
時を経て、場面を代え、また挑戦だ。
ブルーベリーの挿し木をして、なんとか発根したチビ苗が数十本できたのだ。
十センチもないちっちゃな苗が、いっぱい。

 これを大きく育てなければならない。
どうすべきか?。
どうやって五十センチ以上に育てればいいか?。
また試行錯誤がはじまった。

 とりあえずは、植木鉢で育てることにした。
こんなチビ苗を地面に植えても、雑草に埋もれて日光不足になって、伸びないのは明らかだしな。
地面に植えるのは、鉢である程度大きく育ててからだ。
まずは、植木鉢に入れる用土を用意しなくちゃならない。

 ブルーベリーに適した用土だが、ピートモスを主体にして鹿沼土の混合用土、というのが一般的な文献情報となっている。
だが、オレはこれに異義を唱えた。
ピートモスは値段が高いってことさ。

 そこで、オレが考え付いたのが、モミガラを混ぜる、という方法。
ピートモスにできるだけ混ぜて、ピートモスとカネの節約というのが目的だ。
アンド、鹿沼土の代用品として、水はけをよくする、という効果を狙った。

 鹿沼土の粒は、オレが見た限りでは、ブルーベリー購入苗のポット内にあるが、年月がたつと、粒が崩れて、水に溶けて、くっついて、泥団子のようになってしまう。
鹿沼土が、泥団子どころか、泥そのものになってしまうのを、買ったブルーベリーポット内の状態から見てわかっていたので、オレはそれを心配したわけだ。

しばらくつづく

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