ブルーベリーの果柄痕と果実の大小
※果柄痕(かへいこん と読む)。

 夏の北海道に来てみた。
早速ここアリスファームのブルーベリーの果実を摘んでみよう。
せっせ、せっせと〜。
あはは、上機嫌でたくさん摘み過ぎてしまったので、長い電車の道中を手荷物で持ち帰るのも大変だし、知り合いのペンションに果実を送ってみよっと。

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2005年8月13日撮影

 ブルーベリーの果実の形は、品種差といっても大同小異なんだけど、それでも、なるべく立派な果実で、大きくて、白粉がついて綺麗なものを選んでオレは丁寧に摘む。
と、よく見ながら摘むと、果実が黒っぽく、甘いけど、果柄の痕跡のところが湿っぽいものがある。
果柄の痕跡のことを、果柄痕(かへいこん)と言う。
普通の果物ではどうでもいいようなことだが、ブルーベリー界では、果柄痕が小さくて乾いているものが良いとされている。

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 箱詰めして日数かけて輸送するときや、保管するときに、果柄痕のところからカビてしまうことがあるのでね。
ブルーベリーの品種改良でも、果柄痕は小さく乾いている方向で、選抜が続けられている。
オレは果実を摘みながら、果実をひっくり返して果柄痕を見ては、凹んで水分が出ないタイプの品種を選んで摘みまくった。

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この品種はブルークロップらしい

 このブルークロップらしき品種の木がたくさんあり、果実が大きく、白粉が綺麗についてて、味は甘いものや酸味が強いものも混じり、果柄痕がきれいだ。
果実は冷蔵庫に入れれば一週間は長もちしそうだ。

 木をよく見ながら摘んでいたのだが、ここアリスファームでは今年(二〇〇五年一〜三月ごろ)は大雪が降って、枝が折られる被害がひどかったそうだ。
今は夏の季節で枝が成長している時期だから一見してもよくわからなかったけど、よくよく見てみれば、ブルーベリーの枝がものの見事にボキボキに折られている。
冬の間はしっかりロープまいて棒に縛り付けている写真を見ているが、なぜこんなに折れたのかオレにはよくわからない。


 さて、山を下って、帰りの電車が来るまで時間が長いので、駅で観光案内地図をもらって別のブルーベリー園にも行ってみることにした。
ん、見た憶えのある果実がたくさんあるぞ。

 同じような品種構成だ。
といっても、果実の大小やなんとなく形が似ているというだけでは、同じ品種かどうかなんてわからないのだが、果実をひっくり返してみれば、果柄痕(かへいこん)が綺麗だ。

 これは同じブルークロップだね。
ひと昔前の品種群では、果実が大きくても果柄痕が湿っている品種がけっこうあるので(最新の品種はそうでもない)、また寒冷地向けの品種は比較的限られているので、大まかには見当がつきやすい。

 と、ここの園でもオレはつい果実を摘み過ぎたというか、あまりにもぎっしり成っているブルーベリー園で、ホームベル並みの大きな木で、ホームベル並みに果実がどっさりついているハイブッシュ園なのだった。
値段も百グラム百二十円でずいぶん安い。

ブルーベリー・ヒル 新藤

 宅配便も取り扱っているとのことなので、アリスファームで摘んだ果実も同じ箱に詰めてもらって(というかヨコに並べて)発送するというかなり失礼な行為をオレはしてしまったのだが、どこが失礼かというと、料金はちゃんと正確に支払ったとはいえ、ブルーベリーの粒の大きさが、箱の左右で(園によって)一目瞭然で違うからである。
アリスファームでは大降雪で木がボキボキに折られたために強剪定状態になって、そのぶんだけ果実が大きくなったという。

 さて、ふもとのここの園では、大雪で枝は折られなかったのだろうか?。
聞いてみると、たしかに今年は大雪だったそうだが、そのおかげで、埋もれて枝先が枯れる凍害がなかったという。
埋もれるといっても、ここの木は大きくて、てっぺんまで二メートルぐらいあるぞ。

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2005年8月14日撮影

 大きな木だから、防雪対策のためにヒモで鋭三角錐の形まで絞れるとも思えないが、雪で折られなかったのだろうか?。
オレは雪国で生活したことがないので、う〜む、雪についてはやっぱりよくわからないなぁ。

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