Japanese golden Mayberry 広まらず
 じゃあ、どう改善すればいい?。
モミジイチゴの極早生の性質と、欧米種のラズベリーの結実性の良さ、を花粉交配させた新品種が良い、と思うぞ。

 と、今さらオレが言ったところで、百年以上前にルーサー・バーバンクはすでに気付いて、品種改良までやって作り上げているのだった!。
まったく凄いぞ、ルーサー・バーバンク。

 というわけで、バーバンクが作った Japanese golden Mayberry の苗木を購入すべく、オレはグーグルで検索しまくった。
この苗木を購入したいぞ!。
でも、いくら探しても、苗木が見つからねえ!。

 日本国内で無理ならばと、英語はニガテなんだが…、米国の英文サイトで検索してみる。
無理して読んで探したが、英文を読むのがまさに苦痛!。
本当に頭痛がしてきた。
なんだか、本当に苗木は売られていないみたいだった。

 どうしたことだろう?。
フィリピンでは、栽培されていそうもないし、実際見つからん。
どうやら、Japanese golden bayberry こと 日本系黄金色モミジイチゴには、何か問題があったみたいだな。
耐寒性が弱いといっても、ラズベリーというのは零下二十度以下とかの地域にも生えているくらいだから、それに比べれば弱いという意味で、落葉樹であることを思えば、ミカン栽培地帯ぐらいであれば充分大丈夫のはずだ。

 だから、それ以外の問題があったのだろう。
なので、普及しなかったのだろう。
と推測する。
が、なにしろ情報も実物も無いので、わからん!。
英文の Mayberry で検索すると、チーム名だか人名だか市町村名だか、モミジイチゴとは何の関係もなさそうな Mayberry が大量にヒットするんだから!。

 ひょっとして、自分で品種改良しなくちゃならないのかなあ?。
う〜っ。
一応、交配の仕方を調べてみるとするか。
「実験園のバーバンク」の本に載ってた交配の場面を、ここで復習してみるとするか。

バーバンク、トゲ無しブラックベリーを作る
 バーバンクは、ラズベリーだけでなく、ブラックベリーの交配による品種改良も大変盛んにやっていた。
ブラックベリーで作り上げた新品種は、プリマスベリー、フェノメナルベリー、パラドックスベリーなど、というんだが、…全然知らないぞ。
現代では途絶えてしまったか。
聞いたことのない品種名は、オレとしてはどうも興味もイマイチでなあ。

 ブラックベリーでも、トゲ無しのものをバーバンクが作り上げていった『過程』が、かろうじて現在でも通用する情報だと思う。
現代のトゲ無しブラックベリーであるソーンフリーなどでは、バーバンクの名前は全く出てこないけど。
バーバンクは新品種のブラックベリーを作る前に、いったんトゲ無しブラックベリーを作ってから、それに交配をかけて、新品種を作り上げているからね。

 まずは、そこの紹介といこう。
以下は「実験園のバーバンク」からの抜粋アンド要約だ。



(北アメリカの)家庭の果樹園にブラックベリーの果実を摘み取りに行った経験をもっている人なら誰でも、ブラックベリーの枝や葉のいたるところに生えている刺に悩まされた記憶があるに相違ない。
彼にもまた、ニューイングランドの故郷の少年時代、夏にブラック・ベリイの実の熟すころ、朝ごとに篭を提げて甘酸っぱいこの黒イチゴの果実つみにでかけた楽しい思い出があった。

 ブラック・ベリイに刺がなかったら、どんなによいだろう、という彼の少年時代の希望は、やがてこの夢の実現化を志す青年時代の彼の実践へとすすんでいった。
一九〇二年のことである。

 合衆国農務省のデヴィッド・フェアチャイルド氏が、ほとんど無刺性とみとめられる野生のデュウベリー(=ブラックベリーで這い性のもの)数個体を、北カロライナ州の野で発見した。
フェアチャイルド氏は、親切にも、彼の仕事に役にたつことと思い、この野生デュウベリーの標本個体を何べんも送ってよこした。

 送ってよこしたこのデュウベリーの完熟した果実からとった種子を、彼は丁寧に温室の中にまいた。
このようにして生まれた数百本の実生苗の中から、百本に一、二本の割合で、ほとんど刺のない有望な個体がでてきた。
この選抜されたものを同系交配させて採った種子をまいてつくられた多数の実生群は、まったく無刺性の個体を数多くふくんでいた。

 約一万五、六千本の実生がつくられたが、そのほとんど全部が完全な無刺性であった。
どの枝条や葉をみても、刺は一切ぬぐい去ったように消えていた。
彼は、完全に無刺性のデュウベリー、しかも固定しているものを創りあげたのであった。

 この間の経緯を彼は簡単に次のように説明している。
デュウベリーの有刺性は無刺性にたいして支配的−いわゆる優性である。
そして野生状態にあるデュウベリーは雑種であって、有刺性が現れている雑種第一代のものと考えてよい。

 フェアチャイルド氏が彼のところにおくってよこした種子をまいてでたものは、有刺性に無刺性が交雑された雑種第二代の個体である。
したがって、これらの雑種第二代も潜在性−いわゆる劣性の無刺性形質がでた若干数があらわれたのである。

 それゆえにこの無刺性個体を同系交配してえた種子から生じたものが、ほとんど全部無刺性であり、固定していたことも当然であろう。
以上の解説は、メンデルの法則を考慮におくことによって理解を容易にする。

 彼はまず完全に無刺性のデュウベリーの一種を創りあげた。
この次に彼に与えられた仕事は、この無刺性デュウベリーに、優れたブラックベリイの諸形質を交雑によって注入することであった。



 以上、抜粋アンド要約おわり。
というわけで、メンデルの法則が登場だ。
中学だったか、高校だったか、ひょっとして小学校だったか、授業で習ったことだが、ここで再確認してみよう。
トゲの有る無しというのは、遺伝的に言えば、トゲのある性質というのは優性遺伝であり、トゲ無しは劣性遺伝ということになるわな。

 両者が交雑すれば、ほとんどは優性遺伝であるトゲ有りになる。
野生では、この状態だ。
なかにはごくごく少ないが、トゲ無しのものが生じることもある。
フェアチャイルド氏が見つけたのは、このトゲ無しの個体だ。

 劣性遺伝子同士が組み合わさった稀(まれ)な個体だが、このトゲ無しの個体だけを選抜して、それ同士で交配を繰り返していけば、トゲ無しの種ができあがりというわけだ。
バーバンクは、メンデルのちょっと前に生きた人で(二十年ほど)、メンデルの法則を知らなかったがな。

つづく
2011月6月26日 記
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