サルナシが成ったよ
 サルナシってのは、日本国内におけるキウイの原種みたいなものだが、うちの近所ではほとんど見かけない。
サルナシはコクワとも言うらしいが、小さい桑か?と子供のころのオレは勘違いしたくらいだ(桑の実もよく知らなかったが。)
だから、林でも果実を見つけることはできなかったし、まったく馴染みがなかった、と言っておこう。

 あ、まったく無いというわけでもないがな。
ごく最近のことだが、近所で株は今まで二本と、果実一個だけを見つけたことがある。
まあ、せいぜいそのくらいだ。
どっちかというと、ヤマブドウが成るような高冷地が適地らしい。

 さてさて、ホームセンターだったか、苗木が売っていたんだ。
サルナシの苗木の鉢。
さほど高価だったわけではなかったので、以前から一応欲しかったこともあって、オレは買った。
ついにゲットだ。

 買ったはいいものの、キウイみたいにツルで絡まって育つ植物なので、この棚を作る必要があるんだが、作るのはじつにめんどいことだ。
ので、塀の鉄柵にからませて育てることにした。
育ちはまあまあ、よし。
そんなに栽培は難しいわけじゃなさそうだ。

 植えて二〜三年くらい開花も結実もなかったと思うが、二〇〇四年の今年の春、花がたくさん咲いた。
ざくざく成るかと思いきや、そうでもなさげ、だ。
オスメスあるようだが、さて、どれがオスだかメスだかそもそも植えたのは一本だけだったか、ろくに覚えても確認もしておらんが、キウイの結実の良好さにくらべると、サルナシの結果率がかなり悪い。

写真 写真
2004年10月31日撮影

 二〇〇四年秋になって、葉っぱが散りだして、それでも残って見えてきた果実はせいぜい二十個ぐらいか。
花がたくさん咲いたわりには、どうもイマイチだが、成ったんだから良し、としなくちゃな。
果実は、サクランボにちょっと似てる。
しわくちゃな果実なので、これがあまり美しくない。

 ともあれ、食べてみよう。
うむ、キウイのような味だ。
これが野生の野外に成っていたら、かなり相当の美味だといえそうだ。
しわがある果実は甘い。

 一方、未熟な果実というかツルンとしている果実は渋いというか酸っぱい。
次々に採って食べ続けてみたが、どうも…、結実も熟度も不安定さあり、とでもいおうか。
外観も綺麗じゃあないしね。

 秋の数少ないベリーとしてサルナシを活用したいのだが、でも改善案はある。
サルナシの苗木でも、優良選抜のものや正式な品種名がついたもの、を買えば、かなりイケルと思うのだ。
いろいろ新登場しているみたいだよ。
優良な品種のものなら、たーくさん成るみたいだし、木からとってすぐ食べても高糖度で美味らしいし、外観だって綺麗らしいのだ。

 ともあれ、やはりウチで果実が成るというのは嬉しいものだから、それが完全な満足でなかったにしても、とやかく言うのはオレ自身としても自粛を心がけて、このまま鉄柵に大きく繁らせて、秋になったら無造作にたくさん食べるようになりたいね。

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