家庭科編 カスピ海ヨーグルト
 むかし読んだ外国の童話で、猟師が獲物を毎日殺しているという行為を神様が見て、うんざりした神様が、その猟師にお椀をあげた。
それは不思議なおわんで、その中にはチーズが一杯に入っていて食べていいが、ただし!、全部食べずに一口だけ残しておくようにとのことで、猟師はその言い付けを守ったところ、翌朝になると、いつのまにかお椀一杯にチーズが増えているのだった。

 さて、この話がどうなったかは略して、今オレが述べたいのは、カスピ海ヨーグルトというもので、つくばブルーベリー園に遊びに行ったときに、試食品として味わう機会があったんだ。
ヨーグルトにブルーベリージャムを少しかけて食べると、色彩も良く、味もおいしい。

 ブルーベリージャムと、ヨーグルトは相性がいいみたいだ。
ブルーベリージャムはその園での製造で、ヨーグルトもその園での自家製で、いずれはメニューとして出す予定だという。
ヨーグルトを作るのは、家庭では温度維持などが難しいとオレは思っていたが、意外なことに、とっても簡単に家庭でヨーグルトが作れるという。

写真
カスピ海ヨーグルト
2005年5月1日撮影

 これはカスピ海ヨーグルトというんだそうで、このヨーグルトの素、オレは、お土産としてもらってきた。
なんでカスピ海ヨーグルトという、変ちくりんな名前か調べてみたら、カスピ海沿岸方面でのヨーグルトとして使われているからだそうで、その菌は最近になって日本に輸入されて、数年前にブームになったらしい。

 ヨーグルトといえば、ブルガリアヨーグルトのような半固形状のものをオレはイメージとして持っているが、いただいたカスピ海ヨーグルトは、やや粘質的な半固形で、さじですくうと粘って少し糸を引くのが独特だが、充分にヨーグルトとしての味がする。

 特記すべきは、カスピ海ヨーグルトは、作り方がおそろしく簡単なことだ。
まず、必要なものは、牛乳。
家庭用のパック牛乳とか、配達のビン牛乳とかの、いわゆる普通の牛乳でよい。

 あと、カスピ海ヨーグルトをひとさじ。
前回食べたヨーグルトを全部食べてしまわずに、一口分だけは残しておいて、それを新しい牛乳に加えればいい。
一口だけは残しておくのじゃぞ。
全部食べてはいかん。

 容器は、ガラス製のものなどが良いそうで、プラスチック製はなぜか良くないという(オレは試してないけど)。
容器は、熱湯消毒しなくてよい。
ガラスのコップに牛乳そそいて、ヨーグルトをさじ一杯入れて、置いとくだけ。

 そのままで、あとは室温に置いておく。
すると、翌朝。
昨日からまだ半日もたっていないというのに、朝には、コップ内の牛乳は固まって、ヨーグルトは完成している!。
早いっ!。

 朝のヨーグルトの食事として、なかなかいーもんだ。
食べないときは、冷蔵庫に置いとけばいい。
いつまでも冷蔵庫に入れておくと菌が死んでしまうそうで、定期的に新しい牛乳に入れるようにしなきゃならない。

 オレはそれを律儀に守って、昨年夏にもらったカスピ海ヨーグルトを二週間以内に食べるか新しい牛乳に入れるかして、半年以上に菌を維持して、冬を越してこのたび春を迎えることができた(二〇〇五年春)。
冬の間は、ちょっとつらかったな。
温度が低くて一晩では出来上がらないし、また、ヨーグルトを食べると体を冷やす効果?があるのか、寒くて体が震えだしてしまったのだが。

写真
2006年6月27日撮影

 でも、もう春になった。
オレがやる料理?としては、珍しく長続きしている。
小さな子供が家に泊まったときは、夜のうちにヨーグルトの仕込みを子供自身にやらせて、朝に果実摘んで、ジャムとヨーグルトを子供が自ら作って食べる、というシーンの夢をオレとしては描いているのだが、これは今のところまだ実現していない。

カスピ海ヨーグルトのホームページ

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