中学生のときに食べたグミはうまかった
 オレが中学生の時、友人の家に行ったときに、庭でグミを食べさせてもらったことがあった。
その木にはたくさんのグミの実が成っていて、それらを取ってパクパク食べた記憶がある。
今、思えば、木からとって、直接その場で食べてしまうということ自体は、この経験がもとになって、オレ自身の果樹栽培につながっていると思う。

 なにしろオレは、収穫した果物をいつもその場で食ってしまうことが多いからね。
なにしろ果物といえば、普通はリンゴとかミカンとか買ってきた果物を、室内で皮をむいて食べるというのが一般的だったので、庭に果物が成っていてその場で食べること自体が、当時のオレとしては大変珍しかったわけだ。

 当時のオレは育ち盛りで、ハラがすいていたこともあって、友達の庭には実が成る木があってウラヤマシイと思った。
オレの家にも柿とかあったけど、当時ガキのオレとしては、柿にはそれほど興味がなかった。
オレとしてはグミの方にずっと関心があった。

グミが植えられた
 で、その後、弟の小学校卒業記念だったと思うが、グミがサクランボとともに庭に植えられた。
サクランボはその後、急激に育ったかと思うと、葉っぱが枯れ出したりして、結局花も咲かず、発育不良に陥り、その後、切ってしまった。

 一方、グミの木だが、こちらは順調に育った。
というか結構大きくなりがちな木であって、切り詰めているものの、一坪くらいの面積は必要のようだ。
枝を切っても、すぐに急激に伸びたがる木で、小さく育てるのは無理な感じ。

  枝を切ると、実の付き具合にも悪い影響があるようで、このグミはなかなか実がならなかった。
収穫はせいぜいたったの十個ぐらい、という年が毎年のように続いた。
オレをしては、もうあきらめて、植木屋さんが切り詰めるままにしていた。

  が、つい二年ぐらい前(一九九六年?)のことだ。
急に三十個ぐらい収穫ができるようになったのは。

グミがなかなか成らない
 なんで収穫できるようになったかというと、枝を切って日当りを良くしたからだ。
なんで枝を切ったかというと、実がなかなか成らないものだから、オレは、シビレを切らして思いきって枝を切ったんだ。

 今まで植木屋さんが切っていたため、表面の枝は細かく枝別れして、密生していた。
それを一気にスッキリさせたら、枝の数は減ったものの、前年よりは果実の収穫量は増えたんだ。
うまくいって良かった。

 ニフティーの園芸フォーラムのデータでも「グミの実があまり成らない」という書き込みがわりとよくあったっけ。
果樹園芸の本でも「ビックリグミは実がなりにくいのでジベレリン処理をする」とか、載っていた。
ジベレリン処理をオレがするかどうかは別として、グミはどうやら、意外と成らないこともある、ということがわかった。

グミ収穫 一九九八年
 一九九八年六月にビックリグミの収穫があった。
が、この年は、というかこの年もやや不調で、つまりあまり成らないでやんの。
全部で十〜二十個ぐらいかな。
足りねえな〜。

写真
ここには一個しか成っとらん

 しかしだ!、こちらのグミは豊作だ。
一九九八年は実がよく成った。

写真
ナツグミ 1998年5月下旬撮影

 これは、ナツグミだと思う(勝手にナツグミだと決めることにする)。
こいつは実がたくさん成ってくれた。

 このナツグミは、一九九七年の六月にホームセンターで鉢植えで買った。
すでに実付きの状態で売られていた。
ビックリグミとの大きな違いは、果実の大きさが半分以下しかないんだ。

写真
ナツグミの実は指先ほどのサイズしかない

 というか、ナツグミを品種改良したのがビックリグミだと思うぞ。
しかし、ナツグミの方が良く成ってくれる。
ビックリグミの方が味はややうまく感じたが、それは果実が大きいからだろうな。

 ほぼ同じ味であって、オレとしてはナツグミでOK。
オレとしては、今後はナツグミの方を大事に栽培しようと考えているくらいだ。
といいつつも一九九八年七月、オレのナツグミは、夏だというのに葉っぱが全部落ちてしまった。

 収穫直後から病気になってしまって、落葉してしまったんだ。
原因は病気か虫だか、よくわからんけどな。
ちと、ヤベエな。

 幸いなことに新しく葉っぱが伸びてきて、回復した。
枯れたら困ってしまう。
なぜなら、ナツグミの苗木は売っているのをほとんど見かけないからで、また買えるかどうかわからないからだ。

 今後はナツグミの木を大きく育てようと思ったので、冬の間に、植木鉢から露地に植えかえておいた。
一方、従来からあったビックリグミは長年結実不十分だったので、所有者の弟の許可を得て、切ってしまった。
いろいろ思いめぐらすことはあるが、今後はナツグミがあるので充分だと考えた。

ナツグミ収穫 一九九九年
 で、一九九九年の春だ。
ナツグミは昨年夏には落葉したうえに大剪定もしたので、実が成ることは期待していなかった。
が、予想外なことに、五月連休のころに花がぎっしり付いて、あっけなく実がぎっしりついた。

 アブラムシもぎっしりついたが、テントウムシの幼虫を木に移し替えたらほぼ退治できて、グミの果実は順調に育った。
はたして、六月二十日ごろからナツグミは熟しはじめた。
うれしいねえ。
かわいいサイズの果実で、いかにも家庭果樹という感じがする。

 小さな木にぎっしり成って、いかにも豊かな感じがする。
これこそ家庭果樹じゃねえかな。
六月二十四日に収穫した。
味は、結構良い。

 歯触りは、ぐにぐにしている。
渋さは少ない。
ジャムには向かないと思うが、果実の日持ちはわりといいし、木のわきで立ち食いするのもちょうどいい。
中学生のころから欲しいと思っていたグミの木は、これで一応達成できた気がする。

意外な結末
 で、収穫直後の一九九九年の夏だ。
またしても病気が発生して、ナツグミは全て落葉してしまった。
ビックリグミのときは、病気は全く発生しなかったので、意外だ。

 落葉しても、昨年のように再び新しい葉が伸びてくるだろうと思っていた。
が、八月下旬になっても伸びてこない。
本当に枯れてしまったようだ。

 ナツグミの新しい苗木を購入できる見通しは全くなくて、事実上これで断念となった。
残念だが、いずれ苗木が見つかれば栽培を再開したいと思う。

つづく

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