高原にて六月(ジューン)のベリー敗退ス
 ジューンブライドだったか、六月の花嫁?、そんな感じでオレはイメージを思い浮かべた。
さわやかな風が吹く高原で、緑の芝生が広がり、そこに綺麗なベリーの木が立ってさ。
小さい果実でも、可愛くて、素敵な空間でぇー。

 ジャーン、ジューンベリー登場!。
初めて植えたのは二十年近く前。
それは賞味してから枯れてしまって、改めて植え直したのが、わりと最近になってからで数年前。
これが、いよいよ結実のときを迎えたのだ。

 なになに、園芸本によると、花は綺麗だという。
ほう、そうか。
開花のときを待つ。
開花といっても、初めて咲いた年じゃなく、ある程度、育ってからの開花がこちら。

写真 写真
昨年の開花
2009年4月24日撮影

 綺麗といえば綺麗だけどな…。
世の中にはもっと綺麗な花木もあるというに、でもまあ、果樹にしては綺麗な方だ。
園芸本や園芸カタログの文章は、煽り過ぎだなー。

 ジュンベリーは一本だけでも成るそうなので、受粉のために二本植える必要はない。
さて、園芸カタログでは赤い果実となっている。
そうなるのを、オレも待つ。
お、成ってきたぞ。

写真
2007年6月19日撮影

 が、じっさいには真っ赤な果実のときはまだ未熟だそうだ。
赤黒くなってからが本当に熟したときだという。
で、その時を待つ。

写真
写真撮影の都合で、赤い写真の果実とは別のもの
2010年6月30日撮影

 雨が降り過ぎて、裂果してしまったぜ。
ともあれ、いよいよ、お味の方は?。
開花初年度とかは、結実数が少なくて熟し具合もうまくいってなさそうだったので、ある程度、たくさん成った年で味を確認しよう。
それが今年なわけよ。
ついにその時がきたのだ。

 味そのものは、十年以上前に栽培したことがあるから一応は知っている。
ガサガサした味覚だった記憶がある。
さて、今回はいかに?。

 ああっ、なんじゃこりゃあ〜!。
味、あんましうまくないぞっ!。
これじゃなあー。
果実についている柄がうまく分離できず、食べてガサガサ感をいっそう助長する。

 オレの栽培樹は品種不明なこともあって、他人のジュンベリーなら味が違うかもと思って、道の駅でジュンベリーが一パックだけ売っていたのを見つけたので、それも買ってみた。
一パック、百円で、激安。
お味は…、値段相応というか、ったくもう!

  ジュンベリーがこの味なのはこれはこれで仕方ない。
オレがハラ立てるのは、園芸本や園芸カタログが、イイとこだけ載せて、欠点を伏せるか隠すかして、都合のいい夢ばっかり載せてることだよ!。
乗せられたオレは、またこの有り様じゃねえかよ。
年齢かえせってんだ。

 ブヨにはさんざん刺されるし…、夕方は襲来がひどくて、かゆくて痛くてたまんねえ!。
かつて高冷地に移住した開拓者達は、広い農地で豊穣な収穫を夢見て、働き詰めで働いて、苦労が報われずに貧しいまま死んでいったんだな。

写真
ノートに記録していたら、左手の指をブヨに3個所刺された。
2010年6月30日撮影

 オレもそうなるのかい。
と、まあ、せっかくの収穫だというのにプンプン怒り気分のオレである。
ジュンベリーは数十本植えたわけじゃなくて、たったの一本しか植えなかったので、ここはひとつ気をとりなおして、ありのままにジュンベリーを評価して、育てていくとしよう。
2010.7.2 記
作者を誉めるメールを送ってくれえ〜!
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