渋柿を植えよう二本目
 シブ柿の四つ溝柿、今まで一本だけだったのさ。
そこで、もう一本新たに植えてみた。
と簡単に言っても、実行したのは五年くらいも前のことだがな。

写真
四ツ溝柿

 当時、何が問題だったかというと、柿の剪定が一本だけだとうまくいかないことだった。
剪定といっても、電信柱みたいに一本棒にしてしまう強烈なやり方だ。
こうせざるをえないのは、柿の大害虫ヘタムシを防ぐためということと、あと、四つ溝柿は小玉になりやすいから、強剪定によってできるだけ大きめの果実にしたかったんだ。

 というわけで、強剪定をしたかった。
だけど、これをすると翌年は結実皆無になってしまう。
その翌年以後が順調に成るとしても、一年とはいえ完全に収穫ゼロになるのはイヤだったから、実際にはなかなか実行できなかった。

 そ・こ・で・さ、解決策として、もう一本新たに植えることにしたんだ。
シブ柿の四つ溝柿は二本にすることで、強剪定はかわりばんこにすることで、毎年収穫しようという計画をたてたわけ。
そのために二本目を植えたのさ。

 それにしても、日記だというのに五年前の出来事を書いたりして、果樹というのはイチイチ年月がかかりすぎるぞ、ゴルァ!。
少年老いやすく果実なりがたし。
少年だって中年になっちまうぜ。

柿の初成りうれしいね
 とか、ぶつくさ、かんとか、思いながらも、年月はたってゆき、新しく買った柿の苗木に、実が成った。
五個ほど果実が成った。
うれしいね。
二〇〇八年のことだ。
植えてから、四〜五年くらい経っているような気がする。

写真
2008年11月8日撮影

 柿の木の高さは、二〜三メートルといったところか。
枝にも手が届きやすく、果実は目の前の高さで成っていて、じつにイイ感じだ。
植えて数年間は収穫皆無で、それがようやく成ったのだから、なおさら嬉しく感じるのかもしれない。

 初年度ゆえ、成った数は少なかったわけだがな。
へっへっへ〜、成ったぜ〜。
この調子なら、来年はかなり成りそうだなっと。
と、秘かに期待したのだった。

写真
2008年11月8日撮影

 果樹を植えて、数年間我慢さえすれば、その後は毎年実るようになる、なーんて、夢のある言い方は、オレはしないぜ。
果樹を植えて、数年間我慢したあとも、思うように実も成らず、品質も悪く、虫は発生し、結局、苦労と年だけ取りました、という展開が多いんだから!。
まったく、園芸カタログときたら、夢だけ語って、罪作りなんだから…。
ああ、いかんいかん、柿の初成りのシアワセな報告が、恨み節になっちまった。

 といいつつも、じつはこんな前振りをしても大丈夫なくらいに、初成りした渋柿「四つ溝柿」は、成った喜びを素直に楽しむことができるのさ。
花が実に成っても、胃に収まるまでちっとも安心できない果樹が、他に多すぎることにも原因があるが…(恨み節なおらず)。

 四つ溝柿の威力たるや、結実率がいい。
柿の品種中で、もっとも豊産性の品種であるから、春につぼみがついた段階で、もうかなりアテにできる。
タネなしでも結実するから、受粉の必要はない。
袋かけや、鳥害防止のアミを張る必要もなく、色付いてから採るのが多少遅れたからといって腐る心配も(他の果樹に比べればあまり)いらない。

 シブガキだから、生のままでは食えないが、干せば長らく美味しく味わえる干し柿になるし、アルコールで渋抜きすれば、甘柿に勝るとも劣らないウマサだ。
初なりのシブガキ達、楽しく収穫させていただいたよ!。

 柿の栽培上の難点といえば、収穫直前の時期にバタバタと落果することがある。
赤く熟して落ちてしまってグタグタになる、という症状は、柿にはよくあることで、これは柿の大害虫、ヘタムシの被害によるものだ。
その対策だが、柿の木を二本用意して、かわりばんこに柿の幹を伐採して、ぼう(萌)芽更新させると、かなり防げるみたいだ。
その日記へのリンク

 オレはそのために、新しく柿の苗木を買ったというわけさ。
これで渋柿四つ溝柿は、二本。
新しく植えた苗木もこのとおり結実した。
これで万事オッケー!。
これが喜ばずにいられようか。

いざ、二〇〇九年の結実は?
 いざ、初成りの翌年の二〇〇九年だ。
落葉しているときの柿の枝振りを見ると、けっこう充実も良い。
いけるぞ。
そして五、六月ごろになって、柿の開花の時期を迎えた。

 柿の花といっても、地味なものだけどな。
つぼみの数をチェックして、どれくらい成るか、一応見当をつけてみた。
なにしろ、木の高さがまだ二メートルほどなので、立ったまま枝振りをよく観察することができる。

写真
2009年9月21日撮影

 つぼみの数はそこそこたくさん着いているぞ。
いけるぞ、こりゃ!。
と、ひそかに安心したオレであった。
その後は、緑の果実がついて成長していくぞ。

 よしよし。
と、定期的に観察するオレであった。
夏が過ぎて、初秋には、果実が早熟して落下するヘタ虫被害もでた。
が、これは少なくて済んだようだ。

 よかった。
そして、いざ、朱色に色付く秋を迎えた。
ところがこの時点になって、まったく予想外のことが起きていることに、わかったのだ、オレはあ!。

小さな木なのに成り過ぎ!
 うわあ、小さな木なのに成り過ぎだぞ。
柿の木の定番である『隔年結果』を起こしてしまうよ、こりゃ!。
こんなに実がついていることに、熟すまで気付かなかったオレであった。

写真
2009年11月3日撮影
果実の重さで枝が曲がって、下方の枝は地面に着いてしまった

 小さな木にぎっしりなったはいいけれど、別に大きな木もあるんだけど、そちらは裏年となって収穫が乏しかった。
合計すると、不作の年となってしまった。
オレんちでの自家消費用程度しかなく、本当は、干し柿用としてネット販売しようと思っていたのだが…。
ともあれ、収穫だ。

干すだけなんだが干し柿大変
 なにしろ小さな木であるがゆえに、いつのまにかウチの親が全部収穫してしまった。
それはいいけど、ちょっと収穫する時期が早すぎるな…。
早い時期から採ると、カビが生える恐れがあるし。
もっと気温が低くなって、落葉する直前になってから、収穫するのがいいんだがな。

 でも、そんな微妙な気温を見計らってやるサジ加減は、息子のオレが言っても、ウチの親は通じる相手じゃない。
もう、やりたいようにやってくれい!。
と、渋柿の果実のことは気になるものの、その後は放任を決め込むオレであった。

 なにしろ、このあとに控えている包丁で皮を剥く作業が、オレは苦手だし。
いつのまにか、渋柿達は、剥かれて干されてぶら下げられた。
気温は高めだったが、晴天がつづいたので、順調に干し柿になると思われた。

イラスト

 しかしだ!。
晩秋だというのに、そんなある日、雨をともなう強風が来襲!。
未完成の干し柿たちは、ずぶ濡れだ!。
なんとか、その後は乾いた。
なんとか、大丈夫のようだった。

 が、その後、またしても風雨を伴う嵐が来襲!。
未完成の干し柿たちは、またもや全身びしょ濡れだ。
軒下に干していようが、風をともなった雨には、干し柿は弱い。
室内に取り込むには重すぎる。
だから、風雨には、やられっぱなし。

 二〇〇九年晩秋は、風雨のある日が何度もあったもんだから、オレんちの渋柿だけでなく、よその家でも干し柿に重大な打撃をあびせたようだった。
干し柿が、まさに全身緑になって、青カビまみれになっちゃっているんだから、ひでえや。
餅が全体が真っ青に、全身ミドリになったら、そんな餅、食わないだろ。
干し柿の全部の数じゃないけど、ものによっては、そうなっちまったよ。

 まったく、何年もかかったあげく、ようやく木に成っても、口に入るまで、ちいとも安心できないじゃないか。
でも、オレんとこの渋柿品種「四つ溝」は、柿自体が小果なもんだから比較的乾くのが早く、カビの被害はそれでも少なめに済んだ方だろう。
なにしろ、収穫できた数自体が少なかったために、大量損害を出さずに済んだので、結末的にはマアマアかな。

 カビ果がこれ以上増えないうちに、そして乾燥しすぎないうちにと、オレはせっせと急いで干し柿を食ってしまった。
ごちそーさんでした。
おいしゅうございました。
2010年2月7日 改訂
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