みちのくで干し柿を買う
 関東地方の道の駅で、冬に干し柿がときどき売られていた。
けっこう値段するなー。
五個入りで五百円とか、一個百円もするじゃねーか。

写真
あんぽ柿の写真が無いので、この写真はイメージ。干し柿の半ナマ状態

 一個百円では高いとか、かんとか思って、オレは自家製の干し柿を食べていたのだが、福島県に行ったとき、売られている干し柿を見つけた。
八個入りで四百円位。
ほう〜、安いな。
オレが今まで茨城、栃木で見た相場よりも、半額じゃん。
というわけで、買ってみた。

 ほう〜、トロリとして美味しいじゃん。
半ナマ状態で、うまいじゃん。
渋柿を干せば干し柿だと、オレは思っていたが、単純にそうではないらしい。
生干し状態のものは、あんぽ柿と呼ぶらしい。
アンポか。
えー、なになに、柿の専門書によると、福島県の柿は、会津身知不(あいづみしらず)というシブガキで作られているものが多いらしい。

 会津身知不という柿は、自分の身(木)がもたないくらいに果実を沢山成らせることから名付けられたらしい。
豊産性の渋柿品種だ。
しかし、水分が抜けた完全な干し柿にすると、会津身知不はかえって品質がよくなく、半ナマ状態のあんぽ柿にした方がむしろ適しているという。
ふーむ、そうなのか。

 あんぽ柿って、うまいじゃん。
ぽってり甘くて柔らかくて、糖度高く、おまけに便秘対策にもよく効く。
干している途中の干し柿をつまみ食いするのが好きなオレは、半ナマのあんぽ柿が気に入ったのであった。

平たく押しつぶした干し柿を発見
 東北地方は気温が低めのため、甘柿が栽培しづらいらしい。
そのため、渋柿の木の方が多いらしい。
よって、渋柿の果実がたくさん採れるため、干し柿が安いのだろう、とオレは推測した。

 福島県からさらに北上して、宮城県にクルマででかけてみた。
道の駅で休憩したとき、またまた、干し柿を発見!。
これがな、カタチが変わっている。

写真
宮城県北部の道の駅で買った平べったい干し柿
2009年2月22日撮影

 円形の平べったい干し柿だ。
平べったく押しつぶした干し柿というのは、たぶん平核無柿(ひらたねなしがき)という平たい渋柿を干したものだろう。
ふつうの干し柿は、縦長だから縦長の干し柿になるが、世の中には横長のシブ柿だってある。

 それにしても、押し潰した平べったい干し柿とは、珍しく感じる。
そして、丁寧に一個ずつビニル袋で包んである。
しかも、一個あたり五十円くらいで安い。
この干し柿を作る光景を、オレはこう想像した。

 東北地方の古い農家で、おばあちゃんが庭の柿の実を一個ずつ取りました。
夜なべ仕事をして、美味しくなるようにと願いを込めて一個ずつ皮を剥き、小春日和の縁側に干しました。
柿の実が、丸い品種だったので、ある程度乾いたら、押しつぶして円形にしました。

 そして、ほどよく乾いて、おばあちゃんは、一個ずつビニルの小袋に干し柿を入れていきました。
こんなに手間をかけても、干し柿は一個数十円の利益にもなりません。
時給にしても五百円いくかどうか…。

 でも、昔から植えてある柿の木を大事にしたいし、また年老いてもちゃんと働いてお金をかせげるのだということを示したいし、また干し柿を楽しみにしているお客さんのためにも、たとえ安くたっていいから干し柿を作って売りたいのです。
それが、道の駅で売られていたこの干し柿です…。

 というのは、オレの完全な創作だがな。
母さんが夜なべをして手袋編んでくれた〜♪のイメージだけど、だが、この干し柿作り、実態とはそう違った話でもあるまい。

 さて、この干し柿の味はいかに?。
ふんわりと柔らかくて、あんぽ柿の系統だ。
しかもタネなし。
すごいぜ!。

干し柿から北国の春
 東北自動車道路のサービスエリアで売られる干し柿は、値段が高くて、一個百円以上する。
そのかわりに、外観は綺麗に揃い、色も形も包装も見事に上品に仕上げられているがな。
うーん、値段がな。
が、東北道のサービスエリアで、安売りされているのを発見!。
一個百円以上していたものが、十五個以上入って千円だ。

写真
東北道のサービスエリアで買った干し柿
2009年3月28日撮影

 これを買ってみる。
外観、色ともに、見事に仕上げてある。
外観がオレンジ色だ。
形は手作業でほぐして、形良く整形したのだろ。

 色は、鮮やかなオレンジ色に美しく仕上げてあるが、ちょっとここで、オレが述べておきたい指摘としては、これは硫黄を使ったものだ。
さっきの平べったく押しつぶした干し柿は、外観が黒ずんでいるが、これは干し柿ではよくあることで、どうしても黒ずむ。

 でもな、皮を剥いたナマ柿のときに、硫黄の粉を熱して硫化水素として燻蒸すると?、殺菌効果があって、カビもつきにくく、オレンジ色に美しく仕上げられることから、硫黄を使うことは、干し柿作りではよく行われている。
それにしても、硫黄の成分を人間が食べて大丈夫なのか?、という疑念は感じるものだ。
実際には身体上、悪影響はないレベルらしいがな。

 売られている干し柿の袋には、ラベルが張ってあるが、法律上の決まりで、重量や製造元、そして、硫黄が使われていることが、表示されている。
まあ、オレとしては道の駅で売っているような黒ずんだ干し柿でもいいと思っているけどね。
干し柿を作るとき、黒ずまないように青カビがつかないように、綺麗に作るのは、実際にはかなり大変であることを述べておこう。

 さてさて、このオレンジ色の干し柿の味見だ。
うーん、ちょっと硬め。
月日がたって乾燥しすぎて、固くなってしまったらしかった。
乾いて、中心部が空洞になってしまっている。

 ほんのちょっぴりすっぱさを感じるものもあり、まだ食べられるけどね。
なにしろ三月末であるから、これから干し柿の保存には向かない時期になりつつあり、つまり長い冬は終わって、北国の春はもうすぐなのであった。
2009月3月29日 記
2009月4月01日 加筆UP
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