杉皮樹皮の堆肥情報
 福島県三春町のブルーべリー園で見た杉皮樹皮の実例だ。
ブルーべリーって、特に北国のハイブッシュブルーべリーって、土の選り好みがものすごいのなんのって、なにしろ適地でないと育たないんだから。

 枯れることはない。
大きく育たないだけだ。
収量が上がらない。
伸びの悪さに悩み苦しみ続けたまま、もともと年齢高めの栽培者はさらにトシをとるばかりだ。
その絶望さはここではあまり述べない。

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 こんなふうに、ブルーべリーの根元に針葉樹の樹皮、具体的には『杉の樹皮』を敷く。
ブルーべリーって、根は土の選り好みがひどいが、土でもない『杉の樹皮』にはなぜか根を伸ばしていく、というのを実際にオレは見て確認している。

 ただし!、杉の樹皮といってもいくつかの条件をクリアしなくちゃならない。
クリアというか、落とし穴の注意事項があるわけよ。
一番の難点は、そのままの杉皮樹皮だと、ずるずるに長過ぎる!。
ひきちぎれないんだ。
牧草用のフォークで突き刺して持ち上げても、長々と樹皮がつながっているから、適量が取れない。
前屈みになって腕で抱え込めば、とか、ともかく取れないこともないが、疲労困憊が酷い。

 だから!、産地ではすでに細かく破砕してある。
個人の力でハサミで細かく刻むなんてことはとてもやってられないから、機械で粉砕したものを購入するというのが無難だわな。
まだ注意点はある。
根元にどっさりかぶせないことだ。

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 薄めにかぶせる。
どっさり分厚く敷くと、根が地中深くになったのと同じことになり、酸欠を起こすから、つまり、空気の疎通がある程度はよくなるように、うすめうすめにかぶせていく。
定期的に補充すればすむことだわな。

 この粉砕杉皮樹皮は、入手もまた難しい・・・。
オレんちからでも三春町まで片道3時間はかかる。
那須高原に行くよりもはるかに遠い。
基本的に地場産地のための地元のブルーべリー会員間へ供給されているものだから、ヨソの人に売ってくれるかな・・・?。

 金額は、4トントラックで2万円だったか、ほとんどは交通費かもしれないが、自分の畑に大型トラックが入れるよう、狭い農道では搬入できない、ということも注意事項だ。
杉皮は、夏期に雨水をはじくこともあるから、散水もする必要もあったりする。

 とまあ、少なからぬ問題がイロイロある。
樹皮じゃなくて、杉材や木材の「チップ」、紙用のパルプの2流品だか、をブルーべリーに堆肥として与える、という手もないことはない。
が、木材のもっと細かいオガクズを与えてきたオレの経験でいうと、樹皮に比べると、オガクズは根の伸びが悪い。

 樹皮はツーンと臭うことがあったり(分解の過程か?)、虫の大量発生とか、市街地では遠距離になることもあって、なかなかの苦労だ。

 杉の粉砕樹皮の効能を、オレは否定するわけじゃあ、ない。
入手したいが、自分の園内に敷くとなると、入手自体の諸問題がうまく解決できなくて、現に今のオレは使えてない。
2021年1月24日 アメバの果樹園ブログから転載

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